郵政の問題は、他の良質なブログで取り上げていますから、やめようかと思いましたが、故郷を求めてさんのブログを参考に書いてみたいと思います。
今回の件は、かんぽの宿の一括売却問題で、国民の財産がかすめ取られそうになった、と閣僚である鳩山総務大臣(前)が公言したことについて、人を泥棒扱いする名誉毀損にも当たるような呆れた言動です。まるで独裁国家の指導者かと見間違うような態度に驚きを禁じ得ません。もし、彼が騒ぐような不正があるのならば、即刻告発すべきです。何故、しないのか?それは第三者委員会の報告の通り「不正はなかった」事に他なりません。
http://nerituti.iza.ne.jp/blog/entry/1060265/ ←論点整理した第三者委員会の報告書
それに対する政治家の反論も聞こえてきません。これでは、多くの国民は判断に迷うかもしれません。マスコミの責任も大きい。特に読売は酷すぎる。
http://nerituti.iza.ne.jp/blog/entry/1071299/ 今回の読売の報道
さて、ここで事実関係のおさらいです。「かんぽの宿」全国72施設の土地・建設費2400億円(民間発注であればもっと安い建設費であったろう)を、オリックスへ一括譲渡額約109億円での売却の件は、入札の前提条件=従業員約3240人の雇用継続+かんぽの宿の一括譲渡である。そして問題は、かんぽの宿は年間約50億円の赤字を出しているという事実。一般に企業が不採算部門を抱えた場合、一刻も早い決断を迫られる。売却や統合或いは廃止等あらゆる選択の中で、最善の方法を見つけ出し決断しなければ、損失が膨らみ、場合によっては資金ショートなど致命傷になりかねない。
(3、240人の人件費は一説には、年間約100億といわれております。これを引き受ける企業があるのか?)
又、多くの訳知り顔の評論家が、安すぎるという指摘、では、一体いくらなら適正価格なのか?
http://nerituti.iza.ne.jp/blog/entry/1060585/ ←左記ブログを参考にしてください。
再度提示しますが、建設費2400億円、固定資産税評価額850億円、鳩山さんも認めた総務省鑑定額(※一部の優良資産を抽出し推測で全体を鑑定)250億円、昨年9月末時点での簿価123億円、これに対してオリックスの提示額は109億円、不動産売買ではなく、事業譲渡である事を念頭に、評論家は適正価格を提示するべきです。安い、安いと騒いだところでなんの解決にもなりません。特に鳩山前大臣は全く提示もせず、国民の財産がかすめ取られそうになったと騒ぐだけです。「あれだけの不正があって云々」「出来レース」等というのであれば、妥当な価格と、明確な不正を指摘しなければなりません。不正があったと明確に言ってるのですから、不正の根拠を国民の前に出すべきです。犯罪の構成要件を成立させるには当然のことです。当然、私的感情の正義など、なんの構成要件にもならないことは、言うまでもありません。イメージ操作によって、特に情報弱者を惑わせる事は、危険きわまりない全体主義社会を彷彿させますが、氏の正義のバーゲンセールが功を奏したのか、直後の世論調査では70%を超える人が支持しているという。呆れるほか無い。
私は構造改革を大いに支持する一人ですが、小泉改革によって、格差が拡大したとか、郵政のネットワークがズタズタになったとか、挙げ句は、日本の経済が破綻寸前だとか、なんの理論的説明もなく、ただただ感情論で小泉・竹中改革批判のオンパレード。竹中氏との討論相手をみれば、尚顕著です。加藤紘一しかり亀井 久興しかり。反論に窮してレッテル張りで逃げを打つ、情けない限りです。この手の批判に保守派の連中が多いのが又何ともはや・・・やれ朝鮮系だとか出自がどうとか・・実に低レベルのブログで見るに堪えません。
今回の問題は、郵政改革反対派の連中が反対派筆頭の首相を巻き込んで、政官財とスクラムを組んで、鳩山前総理を踊らせた可能性もある。もしそうであるならば、とんだピエロではあるが・・・
郵政不祥事は旧い体質の公社が原因であるし、民間出身の西川氏はその古い体質と戦い膿を出し、郵政を優良企業に導いていこうとしています。これは国民にも還元されるという喜ぶべき事です。TVタックルによると、年収も大企業と比べると随分低いそうです。鳩山議員は、200以上の天下り先で、税金を貪っていた事実を一切言いません。その努力し成果を出している経営者を追い出そうというのです。メディアはこの事を報道するべきですが、国民に正しい情報を提供する姿勢は見受けられません。情けない限りです。
今や抵抗勢力は息を吹き返し、閣僚はおろか首相にまで上り詰めています。そして、小泉・竹中構造改革は悪として一人歩きし、前述の如く弱者切り捨てだの市場原理主義者だの、格差拡大だ果ては資本主義の終焉まで言いだす輩までいます。この構造改革が悪になった理由の一つには、保守派評論家或いは議員、経済評論家の経済音痴と社会主義者化(本人自覚無し)が原因であるかもしれません。彼らの理論が正論であるならば、是非、竹中氏と公の場で討論してほしいものです。
今回の厚労省の幹部逮捕も驚くに値しないほど、官僚の不祥事が常態化しています。この事は、もはや官僚制度そのものが、制度疲労おこしていることの証左に他なりません。
官僚は優秀だとか、麻生総理は保守派の星等という幻想を捨て、一刻も早く政官財のトライアングルによる鎖をぶち壊し、尚一層の構造改革を断行しなければいけません。明確なルールの下で、オープンで自由な競争という、自由主義的なスタイルこそ日本の進むべき道です。
それしか日本が生き延びる方法はないのです。何かある度に規制をかける今の日本市場は、いずれ世界から見向きもされません。外資を目の敵にし、規制をかけるなんて、愚の骨頂です。
経済音痴政治家達に良いように振り回される日本の今の状態は、前門の自民党、後門の民主党でしょうか。
西川氏続投には民主党も反対していますが、この郵政民営化が後戻りするようでは、失われた10年どころか、20年にも及ぶかもしれません。
by 湯煙の中の一杯
鳩山騒動