韓国銀行が18日に明らかにしたところによると、5月のウォン建て輸出物価は昨年末から7.6%下落し、1〜5月の5カ月ベースとしては関連統計の作成が始まった1971年以来で最大の下落幅を記録した。昨年5月の輸出物価は前年末比20.4%の上昇だった。
5月の輸出物価が前年末比で下落したのは、1989年(マイナス1.2%)、1996年(マイナス5.4%)、1998年(マイナス2.5%)、1999年(マイナス3.7%)、2000年(マイナス1.5%)、2001年(マイナス0.6%)、2003年(マイナス1.3%)、2005年(マイナス3.4%)、2006年(マイナス5.8%)だけ。
韓国銀行は、世界景気の低迷とウォン高・ドル安で輸出物価が下落したと説明している。輸出物価は、輸出総額に一定比率以上を占める211輸出品目のウォン建て契約価格に為替レートを適用して計算するため、需要・供給だけでなく為替の影響も受ける。
分野別の輸出物価下落率は、紙・紙製品が20.5%、金属一次製品が19.9%、精密機械製品が15.5%、組立金属製品が15.0%、繊維衣服・革製品が13.0%、電気装備製品が12.0%、運送装備製品が8.6%など。一方、石油化学・ゴム製品は5.5%上昇し、農林水産食品は1.8%の下落にとどまった。
品目別では、表面処理鋼材が昨年末に比べ37.6%、鉄鋼圧延品が25.9%、その他鉄鋼一次製品が25.2%下落した。その他繊維製品は14.5%、繊維織物は12.3%、繊維糸は10.3%の下落。映像・音響機器は14.8%、通信装備は12.4%、コンピューター・周辺機器は5.4%、半導体素子は5.3%、それぞれ下がった。一般目的用機械と特殊目的用機械もそれぞれ9.6%、6.9%の下落。また、テレビ受像機は19.4%、洗濯機は16.3%、冷蔵庫は16.1%、無線電話機は15.7%、小型乗用車は10.5%、それぞれ下落している。
韓国金融研究院のチャン・ミンマクロ経済研究室長は、「輸出物価が下落すれば貿易条件と企業採算性は悪化しても輸出量は増える可能性があるが、海外の需要が増えるように思えない」と述べた。国内販売主導の景気回復を期待し難い状況で輸出まで不振が予想され、下半期の緩やかな景気上昇もたやすくなさそうだと話している。