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【社会】

蓮池透さん「交渉に軸足を」 北朝鮮制裁問題で講演

2009年6月18日 21時08分

 拉致被害者蓮池薫さん(51)の兄の蓮池透さん(54)は18日、都内で講演し、北朝鮮に対する国連や日本独自の制裁措置について「制裁一辺倒で拉致問題が解決するのか疑問。今の閉塞状況に風穴をあけるため、交渉に軸足を移すことが必要だ」などと述べた。

 透さんは「(北朝鮮の)狙いは米国との国交正常化と平和条約締結。(故金日成主席の生誕100年となる)2012年の『強盛大国』建設に向け焦りがあり、国威発揚のため核・ミサイル実験をしている」と分析。

 「軍の強硬派が権力を持つならば、暴発の可能性もあり、制裁を決めた当事者はどこまで腹をくくっているのか」と不測の事態を不安視し「北朝鮮は日本から金を取りたくて仕方がない。金はアメにもムチにもなり、したたかに交渉してほしいが、できる政治家も外交官もいない」と嘆いた。

 さらに「政府の言う拉致、核・ミサイル問題の包括的解決は都合のいい言葉。核が解決すれば拉致も解決すると被害者家族に思わせるのは酷だ」と批判した。

(共同)
 

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