マウリチオ・リオット(Maurizio Riotto、46)氏は、イタリアの韓国学者だ。ナポリ大學・東洋学部で韓国語と韓国文学の教授として在職しており、韓国文学作品の翻訳家としても有名だ。
同氏がイタリア語に訳した韓国小説はおよそ20編にのぼる。同氏は来月末、イタリア語で著述した約400ページにのぼる著書『韓国の歴史』(Storia dela Corea)という韓国通史の出版を控えている。同氏はこの5年間、同書の執筆に専念してきたという。
「歴史は多数または強者の記録です。そのため、少数または弱者の立場だった韓国の歴史は、中国と日本など周辺強国によってわい曲されることが多く、そうした見方がそのまま西側に伝えられています。こうした誤りを正そうとする努力が同書に盛られているのです」。同氏は、本の表紙に高句麗(コグリョ、B.C.37~A.D.668)時代の舞踊塚狩猟図を選んだ。最近、問題になっている中国の高句麗歴史わい曲を念頭に置いたもの、と話した。
「高句麗と渤海の歴史は明らかな韓国の歴史です。中国が操作するからといって操作できるものではありません」。同氏は、イタリア・パレルモ大学で考古学の修士課程を終えた後、ローマ国立大学で東洋考古学博士号を取得した。85年に文教部奨学生として韓国を訪ね、89年にソウル大で考古美術史の博士課程を終えた。留学中だった87年、夫人ファン・ヤンスク氏と結婚、息子1人をもうけている。国際教育振興院の招待で今年6月初旬、韓国入りしており、9月下旬、同書の出版にあわせてイタリアへ向かう。