・昔のお年寄りは、もう全員と言っていいくらい、
　歯を失っていたんじゃないでしょうか。
　じぶんが、ある程度の年齢になって、
　ごまかしごまかしとは言うものの、
　「入れ歯」じゃない状態で、
　おせんべいなんか食べていることに気がついて、
　ああ現代に生きててよかったと思いました。

　自慢じゃないですが、ぼくは歯なんか悪かったです。
　虫歯の痛みや悩みと共に、生きてました。
　そういう思い出なら、いっぱいあります。
　中年も過ぎつつあるころに、
　とてもまじめに集中して歯医者さんに通って、
　悪い歯、よい歯、それぞれに合わせた治療をして、
　歯の悩みのほとんどない人間としてですね、
　再出発したという感じです。
　考えてみたら、そのおかげで、
　元気にむしゃむしゃばりばりと、食えているわけです。
　ありがたいことだなぁ、とつくづく思っちゃったです。

・人類の祖先の方々って、いるじゃないですか。
　クロマニヨン人さんとか、ネアンデルタール人さんとか、
　アウストラロピテクスさんとかね。
　そういう方々の、頭蓋骨のレプリカの写真を、
　なんとなくじーっと見てたんですよ。
　そしたらね、こういう方々の虫歯のことが、
　唐突に気になってきたわけ。
　どうしょうもなかったんだろうなぁ、と思ったんです。
　ここまで古代の祖先でなくとも、
　エジプト人であろうが、ギリシャ人であろうが、
　おそらく虫歯は、あったろうと思うんです。
　ものすごく痛いじゃないですか、虫歯って。
　歯医者なんて、ないですからね、つらいですよー。
　おそらく、抜くという方法くらいしかないでしょうね。
　抜いたって、治らないものは治らないでしょうから、
　とんでもない痛さだと想像できます。
　‥‥ああ、「虫歯史観」から考えたら、
　あらゆる昔の人たちは、みんなエライです。
　お若い諸君よ、まじめに歯医者に行きたまえよ。
　
今日も「ほぼ日」に来てくれて、ありがとうございます。
「茶わん蒸し」も、スタートですよー。