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北朝鮮軍の最高実力者・金永春氏が訪中

金正日総書記の側近中の側近

朝日新聞、「金正雲氏訪中説」も

 北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記の側近で、朝鮮人民軍の総括責任者である金永春(キム・ヨンチュン)人民武力部長が、先週末に中国を訪問した。これは16日、北京の北朝鮮問題に詳しい消息筋が明らかにしたものだ。

 この消息筋によると、金永春部長は今月13日午前、高麗航空機で北京首都空港に到着後、中国人民解放軍の護衛車両を伴ない北京市内へ移動した。その際、国際金融協会(IIF)の総会を終えて帰国する韓昇洙(ハン・スンス)首相の一行を見送った韓国の外交官たちが金部長の一行を目撃したという。

 消息筋は「北京を訪問した北朝鮮の要人は、金正日総書記の側近中の側近である金永春・人民武力部長であることが確認された。金永春部長が金総書記の特使として、中国の指導者層と会い、先月行った2回目の核実験や、金総書記の三男・正雲(ジョンウン)氏(26)に権力を引き継ぐ問題について話し合った可能性がある」と語った。金部長は今年初め、人民武力部長に任命された朝鮮人民軍の最高実力者だ。だが一方で、金部長が病気の治療のために訪中したという主張もある。北京の外交関係者は「金部長は以前にも、同じように週末を利用して北京を訪れ、病気の治療を受けて帰国したことがある」と話している。

 一方、朝日新聞は16日、金総書記の後継者として有力視されている三男の正雲氏が今月10日前後に中国を訪問し、胡錦濤国家主席に会った、と報じた。同紙によると、正雲氏は胡主席のほか、王家瑞対外連絡部長など中国共産党の幹部にも会ったという。正雲氏はまた、北京での日程を終えた後、広東省深セン市、広州市なども訪れ、産業施設を視察したとされている。

 だが、大統領府の関係者は「(正雲氏の訪中説は)事実である可能性が低いという、韓国の情報機関からの報告があった」と述べた。国家情報院の関係者も「いくつかの状況から考えて、事実ではないと思う」と話した。また、中国外務省の秦剛報道官も、この日の記者会見で「そのような話は聞いていない」と述べた。一部では、今月13日に中国を訪問した金永春・人民武力部長を正雲氏と勘違いした可能性もある、との見方も出ている。

 日本のメディアは最近、北朝鮮の後継者問題について相次いで報じている。金総書記の長男・正男(ジョンナム)氏(38)とのインタビューの模様が放送され、また毎日新聞は正雲氏がスイスの首都ベルンに留学していた当時の写真を入手し公開した。だが一方で、テレビ朝日は韓国の喫茶店経営者の写真を「正雲氏の最近の姿」として報じるなど、誤報も相次いでいる。

東京=辛貞録(シン・ジョンロク)特派員

北京=崔有植(チェ・ユシク)特派員

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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