石井節が久々に全開だ。戦極と契約した北京五輪柔道男子100キロ超級金メダリストの石井慧(22)=国士舘大=が16日、都内で会見。総合格闘技転向が決定的な、シドニー五輪柔道男子90キロ級銀メダリストの泉浩(26)=旭化成=や、バルセロナ五輪柔道男子78キロ級金メダリストから総合格闘家に転じた大先輩の吉田秀彦(39)=吉田道場=に放言を連発し、果ては世界最強の男、エメリヤーエンコ・ヒョードル(32)=ロシア=の付き人を志願するなど大独演会となった。
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戦極の8・2さいたまSA大会ではエキシビションも検討されていた石井だが「エキシビションはやりません。変に制限された中でデビュー戦を飾りたくない」と拒否。「相手を決められたら」と真夏の本戦デビューを歓迎したが、泉と吉田は対象外とブチ上げた。
今月末に旭化成を退社する予定の泉は、受け入れ先が未定という現状もあるが、石井は「自分にはもっとやらなければならない相手がいるんじゃないかと。そういうこと(泉戦)をしている場合じゃないんじゃないか」と、眼中にないことを強調した。
また、10日に「(石井と)やるなら早いうちに」と明言した吉田については「常に自分が有利な状況を作り、相手が不利な状況でやるのが戦い。吉田選手がもっと弱ったところでやりたい。戦いとは、武士とはずるいものです」と勝負師ぶりを発揮。早い段階での対戦をやんわりと拒否した。
仰天発言も飛び出した。今月下旬にはヒョードルの練習先であるオランダに渡り、練習をともにする予定だが、石井は「付き人になりたい」ときっぱり。「生活している姿から靴の履き方まで、全部をマネするところから入っていきます。生活スタイルを一緒にするために行きます。強さの秘密を自分で探したい」というのが狙いだ。
それもこれも、最強をどん欲に求めるがゆえ。競技の違いはあれど、マット界の大先輩である三沢光晴さんの急逝には「すごく驚いた」という。来るべきデビュー戦へ「盛り上げたい」と、マット界の起爆剤となることを誓っていた。