・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「あっ!緒方だ!」
すると緒方は目深にキャップを被りなおし、まるで知らん顔。それでも少年ファンは追いまわせども知らん顔を決め込むのです。
数年前、球場前で見た光景です。
美辞麗句をヒーローインタビューで言おうとも、彼の素顔ともいうべき慇懃無礼な振る舞いを見てしまった私は、彼のことを好きになれません。
そう、むしろ嫌いな部類の人間です。
商店街に緒方が子供たちと笑いながら戯れている警察かどこかのポスターを見るにつけ「(この偽善者!)」と、ひとり舌打ちしてしまいます。
プロ野球選手ですから、ゲームで結果を出してナンボではあります。またヒールと呼ばれる悪役であってもいいでしょう。
でも、ゲームを離れたところでも彼らの仕事にはプライベートは無いに等しいと肝に銘じるべきです。チヤホヤされる時期は生涯のうちほんの20年ぐらいのものです。
「社会人としての社交」と割り切る脳味噌は彼にはないのでしょうか。
少なくとも子供ぐらいには、サインが面倒なら「今日は握手で勘弁してね!」ぐらいの一言を言う知恵がはたらかないものでしょうか。
正直なところカープでも、実は緒方だけではないのが現実なんです。
「ファンとともに」という意識。
これって、もうファンの妄想なのではと思えてしまいます。
マリーナの横、栗原はタクシーの後部座席からファンに手を振ってくれます。かつての新井も長谷川も、最近では前田も会釈ぐらいはします。
一部の勘違いというか世間知らずどものせいで、昨日の劇的と賞賛されたゲームも本当のところ私は萎えてしまったというわけです。
「オイ!緒方、お前はコーチの肩書きも貰ってんだろ!コーチって野球教えるだけか?」
だから、私は緒方が嫌いなんです。
ではまた明日。
マスターN