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「外見で不合格」4人に計850万円 神奈川県教委和解

2009年6月17日23時4分

 神奈川県平塚市の旧県立神田高校(現・平塚湘風高校)の受験生が、選考基準にない「茶髪」や「スカートの長さ」など外見や服装で不合格にされた問題で、県教育委員会は17日、不合格とされた22人のうち4人について、慰謝料を含め計856万円を支払うとする和解案を合意した、と発表した。19日開会の県議会に和解案を提出する。

 県教委によると、05、06、08年度の同校入試で、当時の校長の指示により、髪の色やピアスの跡、スカートの長さなどを教員が出願時や受験日にチェック。合格圏内に入っていた22人が不合格とされた。県教委が公表している選考基準では、調査書と面接、学力検査を点数化するだけで、外見や服装は選考基準になっていなかった。

 不適正な合否判定は、昨年10月末に発覚。県の顧問弁護士にも相談し、「紛れもない不適正な合否判定で、精神的な苦痛を与えた」と判断した。県教委は不合格とした受験生に謝罪を始めるとともに、今年3月から受験生側と賠償交渉を始めていた。

 今回合意した和解金は1人につき190万〜241万円。慰謝料のほか、私学へ進学した場合の入学金差額分などで個人差があるという。

 県教委は残る18人とも交渉を続けているが、「お金の問題ではない」と態度を硬化させている保護者もいるという。県教委高校教育企画室は「被害者には大変申し訳ないことをした。誠心誠意交渉を続けたい」としている。

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