海外の日本語熱は相当らしい。国際交流基金の調査によると日本語を学習している人は133カ国に300万人近くいる。
国内の日本語学校を舞台にしたアニメ本「日本人の知らない日本語」(蛇蔵&海野凪子著、メディアファクトリー)が売れている。外国から来た生徒たちが、難問、珍問を教師にぶつける。
笑っていられない質問もある。敬語の「教えて頂けますか」と「教えて下さいませんか」の違い。「さしつかえなければ」と「おそれいりますが」の使い分けなどは、言葉を忘れた日本人への問い掛けだ。
古い世代にとって「外国語」とも映る若者言葉を集めた近刊「あふれる新語」(大修館書店)も面白い。理女(理想の女性)きよぶた(清水の舞台から飛び降りる)かにかま(蚊にかまれること・かまれた跡)などは若者らしい飛躍があって興味深い。
世の中をよく観察していてうなる新語もある。老働(定年を過ぎた人が働きに出る)アラ還(60歳前後の人)巧言冷食(家庭の主婦が冷凍食品を手作りと偽って出すこと)チェンそー(総理大臣がよく替わること)などは傑作だろう。
「しゃもじ」というのは、もともと「杓子(しゃくし)」にかわいく「もじ」とつけた宮中の女房言葉だそうだ。いわば中世のギャル語といえる。世につれて、言葉は変わる。