2009年6月18日5時19分
それでも中国側があえてこの時期に訪中を受け入れたのは、「政治と外交のルートが朝鮮半島の問題を解決する唯一の正しい手段」(秦・副報道局長)という原則を重視しているからだ。核実験後、中国側は訪朝団派遣を見送るなど、強い不快感を示してきた。北朝鮮も制裁決議を受けて、ウランの濃縮作業着手を表明するなど反発を強めており、中国との関係は悪化していた。「両国のハイレベル会談による打開が必要だった」(中朝関係筋)という。
胡主席らは会談の中で、北朝鮮が参加を拒否する6者協議に替わる新たな枠組みやエネルギー支援についても提案したとみられる。「膠着(こうちゃく)した状況を打開する可能性がある」(北京の外交筋)との見方も出ており、北朝鮮の今後の対応が注目される。