麻生首相(自民党総裁)は17日午後、民主党・鳩山代表との2回目の党首討論に臨んだ。鳩山代表は「民主党が政権を取ったら、『日本郵政』の西川社長には辞めてもらう」と明言した。 鳩山代表「あえて国民の皆様の最大の関心事に触れないわけにはいかない。日本郵政株式会社の西川社長の続投問題です。判断ができない、判断がブレる、判断を間違える。間違った方の首を切ったのではないか。首相の器として、いかがなものか」
麻生首相「ブレているとか、ブレていないとか、結論が出るまでの間、色々な意見を聞くのは当然だと思いますが」
鳩山代表「私どもが政権を獲得したときには、西川社長にはお辞めになっていただくしかない」
麻生首相「政府が世論をバックに介入するべきか、極めて慎重にやらねばならないと最初に申し上げておきます。うかつにやるべきではない」
医療問題も取り上げられた。
鳩山代表「医師の数が不足している。最優先しなければならない人の命の問題に関して、どうお考えか」
麻生首相「それは財源の話なくして対応できない。3年後の消費税を含めて、税の抜本改正をやらせていただいて。消費税は避けて通れない」
続いて、財源問題も取り上げられた。
麻生首相「少なくとも、消費税の議論はしないという話のように聞こえましたが、財源というものがなければ、こういう話は極めて無責任になりますので」
鳩山代表「無駄遣いをなくすという方向からスタートしたいんです。4年間は、我々が政権を取っても消費税の増税はしないことをここに明言しておきます!」「(自民党内からも)“アニメの殿堂”は無駄だみたいな話が出てきましたが、無駄遣いはないと本当に麻生首相は思っているのかどうか。お聞きしたい!」
麻生首相「無駄が全くないと、一つもないというほど、私はすべての人間が完ぺきと思ったことはありません。しかし、我々としては、極力無駄をなくす努力をし続ける。私としては、誤解を招く話になりすぎていると思う」
また、麻生首相は、国連決議に基づいて北朝鮮に出入りする船舶の貨物検査(臨検)を可能にする法案を、今の国会に提出する考えを示した。法案の提出は再来週になるものとみられ、これは東京都議会議員選挙とのダブル選挙の可能性を事実上否定したことになる。さらに、麻生首相は「あらためて党首討論をやりたい」と呼びかけた。
何とか巻き返しを図りたい麻生首相だが、今回は守りの姿勢が目につく党首討論となった。