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PAC3今度はどこに配備? 数に限り、政府の選択は(1/2ページ)

2009年6月17日17時20分

写真:3月、防衛省の敷地内に設置されたPAC3=小宮路勝撮影3月、防衛省の敷地内に設置されたPAC3=小宮路勝撮影

 国連による制裁に反発する姿勢を示している北朝鮮が再び弾道ミサイル発射に踏み切る場合、今度は自衛隊の迎撃ミサイル・パトリオット3(PAC3)をどこに展開するのか――。防衛省内で激論が続いている。数が限られている装備だけに「何を優先的に守るのか」という政府の姿勢が問われることになる。

 4月5日に「テポドン2」とみられる弾道ミサイルを発射した際、北朝鮮が公表した情報に基づき、防衛省は飛行コースを推定してPAC3の展開地を検討。上空を通過する可能性が高かった秋田・岩手両県と、首都圏防衛のため、東京・市谷の防衛省などに設置した。

 防衛省幹部は「このとき、秋田・岩手両県と首都圏以外の地域から『なぜ自分たちの地域には設置しないのか』という声は全く出なかった。野球に例えれば『そちらの方向に打球が飛びますよ』と先方が教えてくれたから、そこだけ守りを固めればよかった」と話す。

 北朝鮮は国連の新たな制裁決議などに反発を強め、再度の核実験やミサイル発射実験をちらつかせている。自衛隊幹部は「今度は日本や米国に対する威嚇の狙いがより鮮明だから、事前に飛行コースを推測させるヒントを公表する可能性が低い」と分析する。

 PAC3が現時点で配備されているのは、首都圏や浜松(静岡)、岐阜(岐阜)、饗庭野(滋賀)など計10の航空自衛隊高射隊だけだ。10年度初めまでに16の高射隊に配備される予定だが、「都市機能が集中する地域を局地的・優先的に選んで守るための装備」(空自幹部)との位置づけで、配備先はいずれも都市部だ。一つの高射隊で守れるのは半径20キロ程度にすぎない。

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