憂楽帳

文字サイズ変更
ブックマーク
Yahoo!ブックマークに登録
はてなブックマークに登録
Buzzurlブックマークに登録
livedoor Clipに登録
この記事を印刷

憂楽帳:人なつこいイラン人

 海外でなれなれしく話しかけてくる人は、物売りか客引きと決まっている。しかしイランは違った。

 日本女性は親の決めた人と結婚するのか? 日本人と宗教とのかかわりは? 私は黒澤明が好きだがあなたは? カフェに座っていても、観光地で一休みしていても、誰かがおずおず話しかけてきて質問攻めにされ、気がつくと小1時間たっている。バスで隣り合わせただけなのに自宅に招き昼食をふるまってくれた女性もいた。家に入ったとたん、髪を覆うあのへジャブを脱ぎ捨てたのには驚いたが、去り際に私がカメラを持ち出したら、女性たちが全員、慌ててヘジャブをかぶり直したのはおかしかった。

 「外国人と友達になりたい。外の情報を得たい」。そんな強い欲求を感じた。衛星放送を見るのは禁止、海外への留学も簡単でないイラン。保守強硬派で、女性の服装にも厳しいアフマディネジャド大統領が再選した。一緒に写真を撮った彼女たちは、「あと4年の我慢」とため息をついているのだろうか。【山本紀子】

毎日新聞 2009年6月17日 12時41分

憂楽帳 アーカイブ一覧

 

特集企画

おすすめ情報