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【福井】

世界に一つだけの花 花はす公園で新種繁殖化に挑む

2009年6月12日

青菱紅蓮の株から咲いた白い筋の入った新種。繰り返し咲くための取り組みが続けられている=昨年7月、南越前町の花はす公園で(南越前町役場提供)

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 ハスの切り花生産日本一の南越前町。シーズン中、世界の約120種が咲く同町の「花はす公園」一帯で、公園職員が新種の花が繰り返し咲くようにする取り組みを続けている。専門家も成否を見守っている。

 新種は「青菱紅蓮(せいりょうこうれん)」という中国原産種から生まれた種。2007年7月、赤一色の青菱紅蓮とは異なる2輪の花がこの株から咲いた。ピンクをベースに白い筋が入り、直径は25センチから30センチもある。開花前の葉に珍しい白斑(ふ)が入っており、隔離して育てた。

 08年も白斑入りの葉のレンコンだけを育てたが、赤が多く、ピンクに白い筋の花は少なかった。今年は葉の白斑がさらに強いレンコンだけを選び、ウイルスを避けるため5月に園外のハス田に移し育てている。

繰り返し咲くよう株を移して育てられている=南越前町で

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 京都花蓮(はなはす)研究会(京都市)事務局長で、京都府立植物園技術課長の金子明雄さんによると、筋目や点が入る斑入りのハスは、白地に紫などが世界に4、5種しかなく、色地に白が交じるのは一種だけ。ハス栽培の盛んな中国ではこの十数年に500種の新種を生んだが、色地に白が交じるものはなく、愛好者垂ぜんの的の花という。

 公園を管理する同町公共施設管理公社職員の宮地克郎さん(52)は「突然変異か、ウイルス感染によるものか、まだ分からない。失敗する可能性もある」と話す。取り組みは数年続けていくという。「この公園で誕生した新種はこれを含め2種。今回の取り組みが成功すれば、この地にあやかった名前をつけて大切にしていきたい」としている。

 (持田則子)

 

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