福岡県警は16日、小倉北署留置管理課の係長、矢鳴秀美警部補(56)=同県岡垣町=が非番の日に飲酒運転し、追突事故を起こしたとして、道交法違反(酒気帯び運転)容疑で現行犯逮捕したと発表した。県警は懲戒処分にする方針。福岡市東区で3児が死亡する飲酒運転事故があった2006年8月以降、福岡県警の職員が酒気帯び運転で逮捕されたのは2件目。県警は昨年12月、全職員約1万2千人にアルコール検知器を配布するなど、飲酒運転防止の取り組みを進めていた。
逮捕容疑は、飲酒したうえで、16日午後5時前、北九州市若松区払川の交差点で、信号待ちで停車中の乗用車に追突した疑い。乗用車を運転していた同区の20代主婦にけがはなかった。呼気1リットルから0・45ミリグラムのアルコールが検出され、容疑を認めているという。
県警監察官室によると、矢鳴警部補は16日午前7時半ごろ、朝食を取りながら、500ミリリットルの缶ビール1本と焼酎1杯を飲酒。昼寝をして午後1時半ごろに起き、自宅から約18キロ離れた若松競艇場(若松区)へ車で行った。午後4時20分ごろに競艇場を出発し、帰宅中に事故を起こした。
矢鳴警部補は、1980年採用。地域課で交番勤務が長く、2002年には5年間、無事故無違反だったことから、県警本部長の「優良運転表彰」を受けていた。
県警の村上正一首席監察官は「飲酒運転撲滅に取り組んでいる最中の行為で、県民の皆さまに深くおわびします。事実関係を明らかにして厳正に対処する」とのコメントを発表した。
=2009/06/17付 西日本新聞朝刊=