文部科学省が16日に発表した全国の公立小中学校の耐震化状況調査で、都平均は82・6%で、昨年調査よりも5・9ポイント上昇した。全国では7番目で、昨年と同じ順位だった。
同省は公立学校の校舎や体育館について、耐震基準を満たしているかなどを4月1日現在で調査した。
都内の区市町村別にみると、今回新たに100%に達したのは、豊島区、小金井市、国分寺市、奥多摩町。今回で100%を達成したのは合計19自治体となった。
逆に低かったのは、区部では練馬区(70・8%)▽中野区(71・0%)▽品川区(73・4%)などだったが、いずれも全国平均(67・0%)を上回っていた
また23区以外で低かったのは、小笠原村(33・3%)▽東大和市(36・1%)▽あきる野市(39・6%)▽昭島市(43・9%)▽青梅市(49・6)となっており、多摩地域の低さが目立っている。
都教委によると、耐震化が進まない理由は、自治体の財政難や、工期が約2カ月に及ぶ耐震化工事は夏季休暇時しか実施できないことなどが挙げられるという。
今後の耐震化の見通しについて、都が08年12月に発表した「10年後の東京」への実行プログラムによると、都は小中学校の校舎については2012年度までに耐震化工事を完了するとしている。
一方、改正地震防災対策特別措置法で自治体に公表を義務付けている耐震診断と結果公表について、4月1日時点で幼稚園と小中学校などの耐震状況を公表していないのは、台東区や八王子市など6自治体だった。
八王子市教委の担当者は「詳しい耐震結果が出てから公表するつもりだった。今後公表に向けて作業を進めたい」と話している。【江畑佳明】
◆公立小中学校の耐震改修状況◆
(23区外)
全棟数耐震化率(%)
八王子 422 61.4
立川 105 82.9
武蔵野 59 86.4
三鷹 79 77.2
青梅 121 49.6
府中 153 68.0
昭島 66 43.9
調布 100 84.0
町田 252 86.1
小金井 54 100
小平 111 91.9
日野 96 87.5
東村山 88 51.1
国分寺 61 100
国立 34 70.6
福生 64 100
狛江 41 70.7
東大和 36 36.1
清瀬 63 60.3
東久留米 73 65.8
武蔵村山 49 53.1
多摩 104 82.7
稲城 89 95.5
羽村 46 100
あきる野 48 39.6
西東京 92 100
瑞穂 51 68.6
日の出 10 100
檜原 4 100
奥多摩 10 100
大島 22 72.7
利島 13 100
新島 13 61.5
神津島 6 100
三宅 9 100
御蔵島 2 100
八丈 21 100
青ケ島 4 100
小笠原 6 33.3
〔多摩版〕
毎日新聞 2009年6月17日 地方版