県は16日、県内初の新型インフルエンザ感染者2人を確認した、と発表した。2人とも今のところ家族にインフルエンザ症状は出ておらず、容体も安定しており、県では慎重な対応を求めている。

 感染が確認されたのは、米国在住で不破郡関ケ原町内の親族宅に滞在している8歳男児と、多治見市在住の10代の男子大学生。

 県によると、男児は13日に家族とともに成田空港経由で中部国際空港から入国。38・2度の熱などの症状があったため、16日に大垣市民病院の発熱外来で受診したところ、簡易検査ではA、B型ともマイナス反応を示したが、県保健環境研究所で詳細(PCR)検査の結果、新型インフルエンザに感染していることが分かった。

 男児は現在、同病院に入院中。16日夜時点では平熱に戻り、容体は安定している。家族にインフルエンザ症状はないといい、家族以外の濃厚接触者については西濃保健所で調べている。

 一方、男子大学生は13日に発熱。14日に38・6度の熱などの症状があったため16日に多治見市の県立多治見病院の発熱外来を受診し、PCR検査の結果、感染が分かった。

 男子大学生は、これまでに3人が新型インフルエンザに感染し、19日まで臨時休校している東海学園大三好キャンパス(愛知県三好町)に通学している。

 男子大学生も同病院に入院しているが、16日夜の段階では容体は安定している。家族にインフルエンザ症状はないといい、家族以外の濃厚接触者については東濃保健所で調べている。

 県は16日深夜、古田肇知事らが出席して県新型インフルエンザ対策本部本部員会議を開催。患者の周辺に発熱者がいないことなどから、今のところ患者感染拡大の恐れは小さいとして、▽現時点で学校や保育所などの休校・休業要請は行わない▽公立施設の休業要請、イベントや行事の自粛も現時点では行わないことを申し合わせた。