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日本ナレーション演技研究所
早見沙織さんインタビュー 前編
現在、各所で活躍中の声優陣を数多く輩出している「日本ナレーション演技研究所」(以下「日ナレ」)。アーツビジョン、アイムエンタープライズなどのプロダクション直結という大きな魅力を持ち、 働きながら、学びながら、週1回3時間から演技レッスンを受けられるシステムを採用している。今回は中学生の頃、ジュニア声優クラスに入り、現在も高校に通いながら本科でレッスンを受けている早見沙織さんをクローズアップ! 昨年『桃華月憚(とうかげったん)』でデビュー。今年に入り、『我が家のお稲荷さま。』、『セキレイ』でヒロイン役を演じ、さらにテーマソングも担当している期待のニューフェイスにお話をうかがった。
◆PROFILE
早見沙織(はやみさおり) 5月29日生まれ。アイムエンタープライズ所属。2007年にテレビアニメ『桃華月憚』の桃花役でデビュー。2008年、テレビアニメ『我が家のお稲荷さま。』(コウ)、『セキレイ』(結)でヒロインを務める。また歌唱力にも定評があり、『桃華月憚』、『我が家のお稲荷様。』(コウ)、『セキレイ』の作品ではそれぞれテーマ曲も担当。
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●引っ込み思案でマイペースな性格
――まず自分を分析するとどんな性格やタイプですか?
早見さん: マイペースで自由な感じです。そして、いったん熱中すると一気に没頭します。昼過ぎに本を読み始めて、気が付いたら夜になっていたり。でも熱しやすく覚めやすいかも。日記も3日でやめてしまうタイプです(笑)。
――自分の長所と短所を挙げるとしたらなんでしょう?
早見さん: 長所はのんびりしていて、いい意味でも悪い意味でも動じないところです。「周りに流されず、揺れないね」と母親からも言われます。あと気長で、あまり怒らないところ。のんびり屋だからでしょうね(笑)。短所は引っ込み思案なところです。子供の頃、町で○○ショーみたいなステージをやっていても、他の子はステージに上がりたいと思って、手を挙げたり思い切りアピールするのに、私は一人じっとしてて、母から「あなたも手を挙げなさい」と言われるくらい、前に出るのが苦手でした。今のお仕事をするようになってからもなかなか直らなくて、これから徐々に変わらなきゃと思っています。
●初めてづくしであっという間だったデビュー作『桃華月憚』
――お仕事の話をお聞かせください。昨年のデビュー作『桃華月憚』では主役のひとり・桃花役と、OP曲「ゆめおぼろ」とED曲「この世界がいつかは」を担当されました。いきなりの大役で大変だったのでは?
早見さん: とにかく初めてのことばかりで、その場その場でしなくてはいけないことに一生懸命取り組んでいるうちに、気が付いたらテレビ放送が始まっていて…。あっという間に最終回を迎えた感じであまりよく覚えていないんです(笑)。終わった時は寂しかったですけど、一つの作品の中でたくさんのことをさせていただきましたし、得ることが多かったです。
――初めてマイク前に立った時はどうでしたか?
早見さん: 最初の収録の時、何もわからないままスタジオでちょこんと座っていたら、周りの方が「これ、わかる?」とか「こうしたほうがいいよ」と声をかけてくださって。皆さんの温かい優しさに包まれながらやらせていただきました。1話ではラストシーンまでセリフがなかったので「どうしよう、どうしよう」とずっと緊張していたんですけど、唯一のセリフを発した瞬間に落ち着きました。緊張しながらも待っている間、皆さんが演じている様子を見ることができて、勉強できたこともよかったと思います。
――デビュー作で初レコーディングまで経験されました。プロフィールの特技の項目には「歌唱」とあるので、歌では緊張しなかったのでは?
早見さん: 特技というより、好きというレベルなんです(笑)。歌う前は緊張していましたが、実際にブースに入って声を出すとすごく楽になりました。キャラクターソングも歌わせていただきましたが、最初は「キャラクターを演じながら歌うってどうやるのかな?」と思ってました(笑)。でも歌の中でいろいろな表情をつけて歌うことができて楽しかったです。
●『我が家のお稲荷さま。』のコウ役は自分に近い?
――2008年の春に始まった『我が家のお稲荷さま。』でヒロインのコウ役を演じています。落ち着いた役柄ですが、早見さんもコウのように落ち着いた雰囲気があるのでピッタリですね。
早見さん: 実は皆さんからよく言われます。おっとりしているって。自分の性格的にも割とノンビリとしていて、マイペースな感じなので(笑)。作品自体もコミカルな部分がありつつ、ふわ〜っとしたゆったり、まったりしたムードが流れてます。映像を見てもそうですが、現場もそんな感じで(笑)。私も演じていてやさしい気持ちになれる温かい作品だと思います。
――早見さんが歌っているED曲「風が何かを言おうとしてる」はミディアム系のゆったりした曲です。レコーディングは大変だったですか?
早見さん: 音をはずさないようにとか、最低限のことは考えましたが、むしろ作品の終わりに流れる曲なので、作品に流れる空気感や作品の余韻を感じてもらえたらいいなと思いながら歌いました。
●『セキレイ』では元気な結(むすび)役
――この夏からは新番組『セキレイ』も始まりました。
早見さん: 『我が家のお稲荷さま。』の静かな感じとは対照的に、すごく動きがあって、ハイテンションな作品で、見てくださった方も元気になれると思います。結も私が今までやった中でも一番元気なキャラクターで、天真爛漫に動き回っていて、ポジティブオーラ全開です。私も演じる時はすごくエネルギーを使いますが、収録が終わるたびにパワーをもらっている気がします。
――現在、コウと結という対照的な役柄を同時期に演じるのは、切り替えが大変ではないですか?
早見さん: 『セキレイ』のオーディション結果が出た後に、マネージャーさんから「1週間の中で対照的な役柄を演じるのは大変だよ」と言われて、私も「どうしよう??」とちょっと不安になりました。いざやってみると作品の中での動き方やテンションがまったく違うので難しいし、苦労する部分はありますが、むしろメリハリのつけ方などを学ぶことができてよかったと思います。
●歌&振り付け、ラジオ、イベントにも挑戦!
――『セキレイ』の魅力はどんなところにあると思いますか?
早見さん: かわいい女の子がたくさん出てくるところと、スピード感があってテンポが速いところですね。その中で登場するキャラクター達の細かい感情の動きも丁寧に描かれているので、そこも注目して見てほしいです。個人的にも皆人と結の運命の行方や、どんな結末になるのか、楽しみです。
――そしてOP曲「セキレイ」とED曲「Dear sweet heart」も担当されています。
早見さん: 私と月海役の井上麻里奈さんと草野役の花澤香菜さん、松役の遠藤綾さんの4人で歌わせていただいていて、CDも発売されました。曲をいただいた時、『セキレイ』の世界観にピッタリあってるなと思いました。特にOP曲は戦隊モノみたいな感じで、前に突き進んでいく力強さがあります。最初は幻想的なイントロから始まって、躍動感あふれる曲調で、一度聴いたら、何度も頭の中でリピートされるような印象的な曲になっています。
ED曲は『セキレイ』の女の子達がキャピキャピして、元気でかわいい部分や、笑顔いっぱいの明るさが思い浮かぶようなポップな曲調です。それぞれのソロパートも多いし、サビの全員で歌う部分のハーモニーも素敵です。このCD1枚に『セキレイ』のおいしい部分がギュっと凝縮されていると思うのでぜひ聴いていただきたいです。
「セキレイ夏祭り」というイベントではダンスにも挑戦しました。『セキレイ』のイメージを表現しつつ、みんなで踊れる楽しい振り付けになったと思います。以前、『我が家のお稲荷様。』のイベントでも歌わせていただいたことはあるんです。舞台に出る直前まで心臓がバクバクするくらい緊張したんですが、皆さんの前で歌い始めると楽しくて。ステージを終えると「寂しいな。またやりたいな」と思っていたのでまたイベントができてとてもうれしいです。
――さらに『セキレイ』のラジオ番組のメインパーソナリティもされているそうですね。
早見さん: はい…(汗)。ラジオのパーソナリティをやるのは初めてなんですが、「『セキレイ』の現場でしゃべっているような感じで楽しくお話ししてください」と言っていただいて。毎回、自由にやらせていただいています。作品の魅力や現場でのエピソードについて話したり、作品の世界観に沿ったコーナーもあります。ネタ系が多いので私も毎回、メールを読むのを楽しみにしています。またゲストの方もいらっしゃいます。これまで井上麻里奈さんと花澤香奈さんと遠藤綾さん、そして皆人役の立花慎之介さんに来ていただきました。ゲストの方によって番組の雰囲気が変わりますし、いろいろ助けていただいて感謝しています。本編の他にも「セキレイ裏らじお スウィーツ」ではプロデューサーさんとトークをしているのですが、『セキレイ』のことはもちろん、スイーツのことから格差社会のことまで、フリーにおしゃべりしています。こちらはおまけとして聴いていただければと(笑)。
●密度が濃かったデビューの1年。より充実した1年を目指す
――デビューしてから1年経ちましたが、もう慣れましたか?
早見さん: 全然そんなことないです! スタジオまでの道も迷いますし、今でも本番前になると緊張して、手のひらに「人」という字を書いて飲んでます(笑)。本当ですよ。声優のお仕事を始めて、まだそれほど時間が経ってはいませんが、ひとつひとつの作品が密度が濃くて、学ぶことや得るものが大きくて、ここまでかなり濃厚な1年でした。一緒にお仕事をさせていただいた方々のパワーあふれるお芝居を見るたび、「私もいつかこんなふうになりたいな」と思います。これからの1年もより密度が濃い時間を過ごせたらいいですね。
今後の目標とか希望みたいなイメージは自分にはまだなくて、とにかく自分に巡ってきたお仕事やチャンスに対して、前向きに頑張っていきたいです。あと皆さんに迷惑をかけないように、それから道に迷わないようにしたいと思います(笑)。こんな私ですが、これからも温かく見守っていただければうれしいです。とりあえず、今放送中の『我が家のお稲荷さま。』と『セキレイ』を楽しんでください!
後編は早見さんが声優を目指した動機や、
日ナレでのレッスンなどについてお話を伺います。
後編をお楽しみに! |
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早見沙織さんがヒロイン役のTVアニメ「セキレイ」
大好評放送中です!
結(早見沙織)・月海(井上麻里奈)・草野(花澤香菜)・松(遠藤綾)の4人が可憐に歌う、オープニングテーマ「セキレイ」・エンディングテーマ「Dear sweet heart」の両曲を贅沢にカップリングした主題歌CDの発売日は、7月23日に発売!
また、早見さんがパーソナリティの「セキレイらじお」は、
公式HPにて毎週第1・第3金曜日配信中!
☆詳細は公式HPにて☆
www.sekirei-tv.com |
| (C)極楽院櫻子 / スクウェアエニックス・鶺鴒計画 |
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