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北がテポドン2発準備 無水端里でも兆候 首都圏・関西で迎撃態勢

6月17日2時1分配信 産経新聞

 北朝鮮が北西部のミサイル基地に加え、北東部の基地でも長距離弾道ミサイルの発射準備を進めていることが16日、分かった。2発ともテポドン2号かその改良型とみられる。

 南東部では中距離弾道ミサイルの発射準備が進み、防衛省は近く新型の短距離弾道ミサイルが発射されるとも分析。自衛隊のレーダーによる警戒を強化するとともに、事態が切迫してくれば迎撃態勢に入る方針を固め、地対空誘導弾パトリオット(PAC3)の首都圏と関西への展開を検討している。

 今回の発射準備では、5月末に長距離弾道ミサイルの機材が平壌近くの軍需工場で貨物列車に積まれたのが確認された。韓国メディアは北朝鮮北西部の平安北道(ピヨンアンプクト)東倉里(トンチヤンリ)にある新しい発射基地に搬入されたと一斉に伝えた。

 その後、日本政府などの分析で、北東部の咸鏡北道(ハムギヨンプクト)舞水端里(ムスダンリ)の基地にも長距離弾道ミサイルの機材が運び込まれた形跡があることが判明。車両や人の動きから、東倉里と同時並行で発射準備を進めているとみている。舞水端里は平成18年7月と今年4月の発射にも使われた。

 弾頭やブースター(推進エンジン)を公海上に落下させるため、舞水端里からは4月の発射時と同様、東北上空などを通過する形で東に発射。東倉里では南に発射して先島諸島周辺を通過させる可能性が高いが、こうしたコースに発射するかは不明だ。

 日本政府内には、舞水端里と東倉里のどちらかの発射準備はダミーで、日米の情報収集活動を攪乱(かくらん)する陽動作戦との見方もある。だが、防衛省は両基地から発射されるとの前提で対処方針を検討している。今週に入り、地上レーダーのFPS−5とFPS−3を弾道弾探知モードに移行させた。

 ミサイル防衛(MD)システムでの迎撃態勢は、海上配備型迎撃ミサイル(SM3)搭載のイージス艦を日本海に配置するが、4月と同様にPAC3の展開地が焦点。前回はミサイルの飛行コース通告を受け、PAC3を首都圏と東北に展開させた。今回は通告はない見通しで、より難しい判断を迫られるが、重要防護拠点の首都圏と関西への展開案が有力だ。

 南東部の江原道(カンウオンド)旗対嶺(キテリヨン)の基地では、ノドンとみられる中距離弾道ミサイルの発射準備も進められ、3基地からの連続発射も懸念される。その場合、日本を飛び越える長距離弾道ミサイルよりも弾頭落下の恐れが強く、MDでの主たる迎撃対象でもあるノドンの対処に集中すべきだとの見方が大勢で、迎撃に向けた政治決断と日米連携の検討も急務になる。

     ◇

 北朝鮮の弾道ミサイル 中距離弾道ミサイルは日本のほぼ全域に届くノドン(射程1300キロ)を200発配備。新型(同3000キロ以上)の配備も進める。長距離のテポドン2号(同6000キロ)は1段目に新型ブースター、2段目にノドンを利用している。

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最終更新:6月17日2時1分

産経新聞

 

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