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北朝鮮制裁:輸出禁止決定も効果乏しく

 政府は16日の持ち回り閣議で、2度目の核実験を強行した北朝鮮への日本独自の追加制裁措置を決定した。北朝鮮への全品目の輸出全面禁止と外為法違反で刑が確定した在日外国人の再入国禁止などが柱。ただ、両国間の貿易はほぼ停止状態にあり、対象となる在日外国人なども「ごく少数」(外務省幹部)で、単独の制裁としては限界が指摘される。

 政府はこのため、金融制裁で米韓両国などと連携を強化するなど、制裁効果を上げる方策を検討している。

 「あまり大した制裁じゃない。既にカードがなくなってきているということだ」。自民党の松浪健四郎外交部会長が15日、党の合同部会で指摘すると出席者から笑いが漏れた。

 08年の日朝間の貿易額は前年比26%減の約8億円で、ピークだった80年(約1269億円)の0.6%まで激減し、輸入実績は07、08年ともゼロ。制裁の実効性を上げるには、「貿易額が多い中国や韓国次第」(貿易関係者)なのが実情だ。国連安全保障理事会の制裁委員会が今後、金融制裁や資産凍結の具体的内容を詰めるが、中国など各国とどこまで協調できるかも不透明だ。

 自民党の拉致問題対策特命委員会は16日、内閣官房を中心に関係省庁横断の「北朝鮮制裁タスクフォース」を設置するよう、近く官房長官に申し入れることを確認。制裁にかかわる法執行の円滑化や連携の緊密化を図る狙いがあり、安倍晋三元首相が提案した。【中澤雄大、秋本裕子】

毎日新聞 2009年6月16日 22時04分(最終更新 6月16日 22時42分)

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