テヘラン(CNN) 12日投票の大統領選の開票結果に反発する改革派の街頭デモなどが連日発生、緊張が高まるイラン情勢で、改革派候補として出馬し敗北したムサビ元首相は16日、選挙を監督するイスラム教僧らで組織する「護憲評議会」が同日合意した一部票の再集計を拒否、あくまで選挙の再実施を求める考えを明らかにした。
国営イラン通信によると、護憲評議会の報道担当は同評議会構成員が大統領選で敗れた3候補と会談、再集計を求める開票分の説明を求めた。しかし、ムサビ氏陣営当局者によると、同氏は再集計ではなく大統領選の新たな実施を要求したという。
再集計は政府による新たな「操作」につながるだけとの疑心を受けた大統領選のやり直し要求としている。同当局者によると、護憲評議会は大統領選に備え、約5300万枚の投票用紙の印刷を指示。しかし、使われたのは3900万枚のみで、残りの分は行方不明になったと主張している。今回の有権者総数は約4600万人とされた。
選挙では、アフマディネジャド氏がムサビより2倍以上の得票率を挙げ、勝利していた。選挙では、保守強硬派の現職、アフマディネジャド大統領が「圧勝」した結果に対し、ムサビ元首相や支持者らは不正があったとして大規模集会などを連日開いている。両派間の衝突も伝えられ、同テレビは16日、首都テヘラン市内中心部で軍拠点を襲撃した改革派の支持者7人が殺されたと伝えた、改革派の集会参加者らの拘束も多発しているとされる。
護憲評議会は、再集計に合意することで事態の沈静化を図る狙いがあるとみられている。
改革、保守両派は16日にもそれぞれの集会を予定している。