64. 血管はなぜ青い?
伝言板初登場のOZKさんの疑問を取り上げさせていただきます。
血管というのは、赤い血が流れているのに何故青っぽく見えるんですか? |
言われてみればその通り!
体の表面に浮き出ている血管は青いのに、その中を流れている血は赤い!
血管がもともと青いのでしょうか? そんな話は聞いたことがない。
それとも、もともと血は青いのだけれども、ひとたび空気に触れると赤くなる? これもおかしいなあ。
灯台もと暗し。 まったく素朴な疑問です。
おひさしぶりです! 飯田さんからお答えをいただきました。
なぜ静脈が青いのかについてですが、一言で言えば、酸素が足りないからです。 平凡社大百科事典より引用: 〈赤き血潮〉といわれるように,血液は特有な赤い色調をもっている。 これは赤血球の中に含まれているヘモグロビン(血色素)という鉄 Fe 原子をもった色素タンパク質によるものである。 動脈血は大部分のヘモグロビンに酸素が結合して鮮紅色を呈するが,静脈血は酸素を結合していないヘモグロビンを含むので暗赤色である。 心臓や肺の病気のため血液中の酸素が減ると,毛細血管には酸素を結合していないヘモグロビンが増加するので,皮膚や粘膜は青紫色の色調を帯び,チアノーゼ(青色症,紫藍症ともいう)という状態になる。 |
酸素の少ない血液の流れる静脈は青く見えるということですが、青く見える静脈から出る血液は鮮やかな赤色ではではないにしても、やっぱり赤いように思います。
あの赤い色と静脈の青い色とではずいぶんと違うように思います。 なんか不思議。
そもそも血管というのは何色をしてるんでしょうか。
それから、酸素たっぷりの動脈血は鮮やかに赤いのですから、人体解剖図のように動脈というのは赤く見えるのでしょうか。
そんなことを考えていましたら、峰さんが 名古屋大学医学部のホームページのメーリングリスト をひっさげて登場です!
要約しますと、次のようになります。
血管の中を流れている血液は赤いので赤く見える。だから唇や眼球結膜など表皮の直下に血管が走っている所は赤く見える。 しかし,深い位置にある血管はその赤い色は乱反射してしまい,血液の色の青い色だけが透過して見える(これは光の波長の問題)。 一般に目でわかる血管は表在血管であり,流れている血液は静脈血でやや黒い色調である。そのせいもあり青の色の成分がよけい強くなる・・・・。 |
へぇー! そういうことなんですか。 光の乱反射で青く見える。 まさに、「勉強さしてもらいました!」です。