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【社会】

プロレス練習で会社員死亡 団体代表ら書類送検へ

2009年6月16日 朝刊

 東京都江東区の格闘技ホールで昨年十月、会社員でレスラーの由利大輔さん=当時(25)=が、プロレスの練習中に危険な技を受け、首の骨を折って死亡した事故で、東京湾岸署は、業務上過失致死の疑いで、由利さんが所属していたプロレス団体代表(30)ら三人を今月中にも書類送検する方針を固めた。

 ほかの二人は、同じ団体に所属していた由利さんの元同僚で、代表と一緒に技をかけた会社員(35)と、当時の練習全体を取り仕切っていた別のプロレス団体代表(30)。

 同署などによると、由利さんは昨年十月十八日未明、江東区新木場一の「新木場ファーストリング」で、団体代表に肩車された状態で、リングコーナーのロープ上から飛び降りてきた会社員から首を殴打される「ラリアット」を受けた。由利さんは団体代表の肩から後ろ向きにマットに落ちて頭頂部を打ち、同二十四日に頸椎(けいつい)骨折で死亡した。

 関係者によると、由利さんが受けた技は「ダブルインパクト」と呼ばれる大技で、受け手は肩車された高い位置から背後に落とされるため、熟練者でも危険性が高いという。

 同署などによると、由利さんは事故の半年前に同団体に所属、リング上での練習は三回目だった。

 同署は、団体代表らが受け身などの十分な指導をせず、由利さんの技術が未熟であると知りながら、危険な技をかけた過失があるとみている。また、練習責任者は素人同然の由利さんに危険な技をかけさせないよう管理する義務を怠った疑いがあるとみている。

 由利さんの遺族は今年二月、業務上過失致死罪で三人を告訴している。

 由利さんの所属団体代表は「弁護士に任せているので、コメントは差し控えたい」と話している。

 

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