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韓国に貸し出される安重根の遺墨(京都市伏見区・龍谷大) |
韓国の独立運動家で、1909年に初代韓国統監の伊藤博文を射殺した安重根(1879〜1910)に関する資料を保管する龍谷大(京都市伏見区)は16日、安重根が処刑の直前に書いたとみられる墨書など30点を、10月から韓国ソウルで開かれる展覧会に貸し出すと発表した。海外での公開は初めてとなり、大学は「日韓友好の証としたい」と期待している。
今回貸し出すのは、「論語」や「中庸」の言葉が書かれた墨書3点と、監獄で親族に遺言を残す安重根の写真など。岡山県笠岡市の浄心寺から1997年に寄託を受けた安重根に関する資料88点の一部で、龍大深草図書館で保管していた。
貸し出し資料は、10月26日から来年1月24日まで、ソウルの「芸術の殿堂」で開かれる「安重根義士義挙100周年記念特別展」で、他の約70点の資料とともに紹介される。
16日に、若原道昭学長と、特別展を主催する韓国の「安重根義士崇慕会」の代理人が、龍大で貸し出しに関する調印を行った。
若原学長は「貸し出しは日韓の文化交流事業として意義深い。今後も、研究活動などに役立てたい」と話している。
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