形状加工について・前編

ナイフの規制等について

週末は関の刃物まつり(アウトドアナイフショウ2009夏)参加?視察??...を兼ねて、岐阜へ行ってきたわけですが、当初の予定より戻りが遅れてしまい、戻って最初の更新がナイフショウネタではなくダガー改造ネタ。
ナイフショウのリポートっうか、感想とかのネタ更新はもういいや、って感じてます。
なんせ相変わらずの15cm規制に、フォールスエッジは5.5cmまででないとダメ、とか言っててですね、あぁもうこのショウはダメだ、と感じました。
今日の本題はそれではないので、まぁ割愛しますがいずれ愚痴にも似た(と言うよりまるっきり愚痴なんですけど)ネタをやるかも知れません。バカバカしくてホントあきれ返らんばかりなので、やらない方の公算大...

さて、ダガーの形状変化についてです。
5月末に発売されたストライクアンドタクティカルマガジン(SATマガジン)に、改正銃刀法についてと「さよならダガー」の記事が載ったワケなんですよ。
内容については書きません。それ読まれた方へのフォローアップを前提に話を進めます。
形状変化については、当ブログでも過去に同様のネタをやってきました。その時の素材を元に、記事の中で何点か加工例を示して、紹介してもらいました。

紹介してもらいました・・・と言うと語弊があるんです。要するに向こうからこういったネタをやりたい、と言うオファーがありました。
で、ココで割と早い時期から加工についてのネタをやってきましたが、途中からなんとなく放置気味...
思った以上にメンドクサイ作業なんですよね。一番の問題は「制約」があること。つまり元の幅の中で形状変化、と言うと削るしかないわけです。
もともとダガーって言うのはスラッとしたデザインが売りなワケです。まぁ一部例外と言いますか、しゃもじのような烏賊のような卓球のラケットのような幅広なモノもありますが。
ま、それはさておき、幅の狭いナイフを削って加工するとさらに細くなって、「華奢」になるんですよね。手を掛けてリカーブにしたり背中側を凹ませたり、アレコレやってみましたがあんまり上手く行かないんですよね。
まぁまぁ上手く出来たんちゃうかな?って言うのはセーフキーパーみたいな幅広のナイフ。
それ以外は「困ったなぁ~」ってのがワリと本音だったりします。
手を掛けてもあんまりカッコ良くならないんなら、やらない方がマシ?とか思ったりし始めてですね、それでもいずれリミット(猶予期間終了の7月4日)が来る...どうしたモノか...と葛藤しておりました。

で、SATマガジンの記事が出たら話題再燃(汗

案の定問い合わせが増えてきました。そして一番多いのが「マーク2」について。

さぁ困った・・・ナニが困ったかというと、問い合わせが徐々に増えてきて、どうやって加工するのが良いかというコトが、素人さんには伝えにくい。「形状加工」って言っても言葉では説明無理。玄人さんなら自分で適当に加工してしまえるわけですし、自分の思うようにやるのが一番良いワケですが。
それに先述の通り、案外手を掛けてもカッチョ良くならんのですな。やはり始めっからその形状に合わせて作っていかないと、後から削っていたのではいろいろ矛盾が出てくるわけですよ。
例えば背中側を斜めに削り落としても、厚さが不均一になっているところへ横から見たら自然な幅のスエッジを設ける...なんて簡単に思えて結構難しかったりするわけです。幸い、ウチにはキクさんという心強い味方がついていますので、その辺はクリアできますがまぁなんとも儲からんメンドクサイ仕事。あ、いえ、ホントに本音。玄人の方で俺がやる、って方がいれば名乗りを上げていただきたいくらい(泣)。あんまりキクさんを巻き込みたくはなかったんですが、こうなった以上乗りかけた船ですから付き合ってもらいます(爆
記事もあんなふうにドーンと出てしまいましたし。

と言うわけで、問い合わせの多かったマーク2及びテクナのダイバーナイフについては、こんな感じでシンプルにやってみました。

コレなら「対称形」のバランス崩せますし、いわゆるニューヨークスペシャルのスタイルと同じですよね。ニューヨークスペシャルは背中側に刃が付いていても、経常的には無問題なのだそうで、それに準えてってワケです。
そして、刃の長さを落とすこともありません。ちょっとスエッジつけてやって、削り落とした不細工な箇所を修正。スエッヂは入っていますが、刃は付けておりません。と言うよりあの刃幅と角度では付かないです。
何人かのナイフファンの人達に見てもらいましたが、元のイメージを極力損なわず、さらに鋭さの増したなかなか良い加工だ、と概ね好評をいただきましたし。

長くなってしまいますたので、詳しいことの続きは明日に...とさせていただきます。
問い合わせのメールとかは明日の完結編を読んでからお願いしますね。
もう、とにかくコレ、今日の朝5時から作業やって、それから姫路へ戻ってきたので眠いんですよ...お休みなさい