2009.03.13
第1回SHOBI小江戸川越フォーラム
かるたに詠まれた文化に着目
川越の新たな魅力・可能性を探る
かるた競技を実演する筑波大附属坂戸高校の生徒 |
蔵造りの町並みで知られる城下町・川越を、さまざまな魅力を持ったテーマパークと捉え、新たな魅力を発信していこうと、13日午前10時から郭町の市立博物館で、第1回SHOBI「小江戸川越」フォーラム(森永エンゼル財団・尚美総合芸術センター主催、市教委など後援)が開かれました。
フォーラムのテーマは「今に生きる江戸のかるた遊び」。
江戸時代に広く親しまれた「かるた」には、人々の暮らしを取りまく自然や生活様式・文化や心に対する視点や、鋭い観察・感謝の気持ちが詠み込まれており、江戸の文化をしのばせる有形・無形の遺産が残る川越をこうした観点から見つめ直し、新たなまちの魅力を探ることで地域振興に結びつけようと開かれました。
太田道潅の詠んだ歌を紹介しながら挨拶する松田学長 |
冒頭、フォーラムを提唱した尚美学園大学の松田義幸学長は「小江戸川越と大江戸東京は太田道潅で繋がっている。環境問題の温故知新として世界的に江戸文化が注目を集めており、それを今に残す川越には多くの魅力がある。環境を考えることは自然に学ぶことであり、四季の変化を友とする詩歌に通じる。かるたを通じ、自然や文化を詠み込んだかるたにふれる意味は大きい」と挨拶しました。
競技かるたの教育事例を紹介する奥村先生 |
続いて、10年前から小倉百人一首かるた競技を教育に取り入れている筑波大附属坂戸高校の事例を紹介。

競技かるたの魅力について話す坂戸高校の永井さん |
奥村準子先生や、かるた部員らが競技かるたの魅力について「マインドスポーツの競技かるたは、海外にも広がりを見せている。生涯学習として子どもからお年寄りまで楽しめる遊びで、自然や季節の循環に対する感謝の気持ち、心の有りようなどを学ぶことができる」などと話しました。
壇上には畳が敷かれ、羽織はかま姿の生徒が小倉百人一首の競技を実演。ルールなどを説明しました。
午後からは、歌人で國學院大名誉教授の岡野弘彦さんと遠州流宗家の小堀宗慶さんによる対談「藤原定家と小堀遠州の美の世界、そして百人一首の魅力」や、「小倉百人一首の魅力」と題した岡野さんの講演、この日の登壇者に尚美学園大の加藤順一教授・櫻井準也教授らを加えたメンバーによるトークインなどが行われました。
フォーラムに聞き入る参加者 |
参加者からは「小倉百人一首には、忘れかけた日本人の心が込められている」「生き物と環境の関わりや命の循環、農業の大切さを知る上で、身の回りに目を配る繊細な心を持つことが重要だと思う」「和歌には現代人の暮らしを導いてくれる力があるのでは…」などの意見が聞かれました。(写真は郭町の市立博物館で)
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