充実の2時間!「Kalafinaクローズド・プレミアムLIVE」レポート
5月19日、「Kalafinaクローズド・プレミアムLIVE」が渋谷O-WESTにて行われた。今回のライヴは、アルバム『Seventh Heaven』、シングル「Lacrimosa」ダブル購入者を対象に行われたもので、抽選を勝ち抜いた500名だけが目撃することができた、まさにプレミアムなライヴだ。
満員のO-WESTに突如鳴り響く「overture」の神秘的な歌声。荘厳な雰囲気を引き継ぐように、まずはアルバムのタイトルチューン「seventh heaven」が披露され、シークレットライヴの幕が開く。大ヒット1stシングルの表題曲「oblivious」を経て、力強いビートが心地よい必殺のライヴチューン「love come down」が披露されると、もはや会場は興奮の坩堝に。
息のあった軽妙なやりとりを聞かせるMC。そこから一転して、思春期の恋を思わせるような爽やかなテイストのスローナンバー「夏の林檎」をしっとりと歌い上げ、物悲しげな中にも力強さを秘めた「serenato」へとつないでいく。「君が光に変えて行く」「傷跡」と映画『空の境界』を切なく彩ったバラードが続く中でも、会場のテンションは高く保たれたまま。リズムの速さに頼らずとも見事に観客を牽引していく姿に、あらためて、kalafinaのパフォーマンスが持つ可能性を感じずにはいられない。
今回のライヴからの参戦となるバンドメンバーたちを紹介した後は、後半戦に突入。「ARIA」でKalafinaの楽曲中でも屈指の複雑さを誇るコーラスを朗々と響かせると、「また風が強くなった」「音楽」ではロックな側面を大爆発させる。その熱狂は、本編ラストナンバーの大ヒットアニメ『黒執事』EDテーマ「Lacrimosa」が華麗に披露された後でも収まる気配を見せない。
そして迎えたアンコール。ライヴTシャツに着替えて再登場したメンバーたちから、まずはNHK総合テレビ『歴史秘話ヒストリア』のメインテーマのカバーソングの新曲「storia」の初ライブという嬉しいサプライズが観客に贈られる。頂点を迎える会場、アンコールのラストは「sprinter」。まさに全力疾走の勢いで、演奏者も客席も駆け抜けていった。
シークレットライヴの枠を軽々と飛び越える充実の2時間は、CD発売以降、彼女たちが過ごしてきた濃厚な日々を感じさせるに十分なものだった。これからも精力的にライヴ活動を行っていくという宣言もあり、2009年もつくづく楽しみなことだ。
(文/前田久)
<セットリスト>
(overture)
01. seventh heaven
02. oblivious
03. love come down
04. 夏の林檎
05. serenato
06. 君が光に変えて行く
07. 傷跡
08. ARIA
09. また風が強くなった
10. 音楽
11. Lacrimosa
12. storia(新曲)
13. sprinter
<CD情報>
Kalafina「storia」
2009年7月1日発売
SMEレコーズ
■初回生産限定盤(CD+DVD)
SECL-786~7
¥1,575(税込)
■通常盤(CDのみ)
SECL-788
¥1,223(税込)
【収録曲】
01. storia
02. lilica
03. storia(Instrumental)
Kalafina公式サイト:
http://www.kalafina.jp/