フォードは、プラグインハイブリッド車「エスケープ・プラグイン・ハイブリッド(エスケープPHEV)」の実証実験を開始した。エスケープPHEV第一号車の納入先は、カナダの電力会社「ハイドロ・ケベック」。同社は、電気自動車やプラグインハイブリッド車に欠かせない充電装置の開発や供給を行うパートナーとして、PHEVの実証実験をサポートする。
また、プロジェクトには、発電や電力の供給に関する研究を行う独立非営利団体「エレクトリック・パワー・リサーチ・インスティテュート」も参加。今回のプロジェクトは、この3者の共同で普及に向けたインフラ整備や新しいビジネスモデルの構築を目的としたものだ。
エスケープPHEVは、フォードが2004年にSUV初のハイブリッド車として登場させた、「フォード・エスケープ・ハイブリッド」の進化型ともいうべきモデル。高効率なリチウムイオンバッテリーを搭載し、北米の一般的な家庭用電源(120V)で6〜8時間ほどで充電できる。
フォードのPHEVは、充電された状態では電気自動車と同様にモーターのみで駆動する。そして電気がなくなると、そこからはハイブリッドカーとしてエンジンを始動させ駆動や充電を行う。電気のみで走ることのできる航続距離は30マイル(48km)程度と見込まれている。
フォードの試算によると、年間1万8000km走行するユーザーの燃料コストは、ガソリンの場合で1383ドル。これに対し電気ならば244ドル程度と、約6分の1で済むという。
フォードは、このプロジェクトに計21台のテスト車両を投入し、データ収集を行っていく。日本では、
三菱自動車の「i-MiEV」や
スバルの「プラグインステラ」などのEVが脚光を浴びているが、アメリカでも「電気で動くクルマ」が今後ますます注目を集めていくことになりそうだ。
(webCG 曽宮)