障害者団体向け郵便料金割引制度の悪用事件で、大阪市の広告代理店「新生企業」(現・伸正)の社長宇田敏代容疑者(53)らが不正に免れた正規料金との差額は、2004年4月から4年半で約1億6000万通分、約211億円に上ることが18日、大阪地検特捜部の調べで分かった。
郵便事業会社の調査で判明した不正利用のうち、07年度(約1億通)で34%、08年度(約4500万通)で58%が新生企業を通じて発送されていた。
特捜部は同日、時効が成立していない06年4月から約9億円の郵便料金を免れたとして、郵便法違反の罪で宇田容疑者と元取締役阿部徹容疑者(55)を、約8600万円を脱税したとして法人税法違反の罪で2人と法人としての伸正も起訴した。
特捜部によると、2人は「障害者団体から名義を借り、営利目的で使った。形式だけの虚偽の書類を郵便事業会社に提出した」と起訴状の内容を認めている。
特捜部によると、2人は、本来は1通80−200円で発送しなければならないダイレクトメールを、障害者団体が発行したと偽った定期刊行物と合わせて割引制度を利用。1通当たり約9円で発送していた。