6回、全(左)に右ストレートを叩き込む坂田健史=後楽園ホール
ボクシングの前WBA世界フライ級王者、坂田健史(29)=協栄=が14日、東京・後楽園ホールでSフライ級10回戦を行い、韓国フライ級王者・全鎭萬(29)=韓国=を3-0の大差判定で下し、再起戦を飾った。昨年12月31日以来のリングとなった坂田は、持ち前の馬力で韓国王者を寄せ付けず一方的な内容で“完封”。年内にも世界戦を計画しており、王座返り咲きを誓った。
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坂田らしい“堅実”な復活劇だった。エンジンのかかりが悪かったが、回を追うごとにパンチのキレが増していった。5回と7回にはボディーからの連打でダウン寸前まで追い込んだ。KOこそ逃したものの、安定した試合運びで約6カ月ぶりの再起戦を飾った。
昨年12月31日、デンカオセーン(タイ)に2回KO負けを喫し、5度目の王座防衛に失敗。失意の年越しとなり、引退が頭をかすめた。だが、王者のプライドが再起を決意させた。「あんな負け方では終われない。絶対に後悔すると思った」。1カ月の空白を経て、再びジムに戻ってきた。
再起戦であり、世界前哨戦でもあった。協栄ジムの金平桂一郎会長は「7ラウンドに詰め切れたら100点満点。ただ、強い選手と試合ができたのはいいこと。チャンスがあれば、すぐにでも世界戦をやらせたい」とゴーサインを出した。
世界戦は、フライ級とSフライ級の2階級を視野に入れている。「王座に返り咲くことだけを考えてやってきた。年内に世界に挑戦したい。世界チャンピオンだったころよりも、今のほうが強い。また必ず、世界のベルトを巻きます」と、力強く王座返り咲きを誓った。