長島・大野・常松法律事務所

採用情報

60期弁護士インタビュー

菅 礼子 弁護士

法曹の中で企業法務弁護士を選んだのはどうしてですか。企業法務事務所の中でも長島・大野・常松法律事務所を選んだ理由は何ですか。

私は中学生の時に犯罪被害者支援活動に興味を持ったことがきっかけで法曹を目指し、司法試験に合格するまでは検察官を志望していましたが、大学時代に実務家の方から話を聞くなどするうちに弁護士という選択肢も検討するようになり、最終的には修習を経て、そのような活動に携わるには検察官よりも弁護士の方が相応しいと考えるようになりました。他方で、検察官を選択せずに弁護士を選択した場合に自分に相応しい分野が何であるかを決めるために、修習前から様々な法律事務所を見学しようと考えており、企業法務事務所の説明会に参加する中で出会ったのが長島・大野・常松法律事務所でした。

言葉で表現するのは難しいのですが、当事務所の説明会に参加して、ここには自分が成長できる何かがあると直感しました。別の言い方をすれば、当事務所に出会ったからこそ、企業法務弁護士を選んだのだと思います。なお、犯罪被害者支援活動については、弁護士会の犯罪被害者支援委員会に所属して、実際に活動していらっしゃる先輩弁護士から勉強の機会を与えていただいており、これからも初心を忘れずに活動していきたいと思っています。

入所前の印象と入所後の印象を比較して何か変わった点はありますか。実際に事務所に入って働いてみて、どういうところが自分にとって一番良かったと思いましたか。

入所前は、弁護士が公私にわたって様々なライフスタイルを実現することを尊重し合っている、大規模事務所としての制度設計に真摯に取り組み、合理的な運営を行っている、ITを始めとする執務環境が非常に充実しているという印象を抱いていました。入所後も、これらの印象については変わることはなく、特に執務環境については、最先端のリーガル・リサーチを行うのに欠かせないイントラネット上の情報共有や外部データベースへのアクセスの整備、自宅から事務所と同様のPC環境を利用できるシステムの構築、外出時に事務所のメールを確認できる端末の貸与等、これ以上ないほど理想的であると思っています。

印象が変わったとすれば、入所前は、一般に大規模企業法務事務所での労働環境や先輩弁護士による指導は非常に厳しいのではないかと予想していた点についてです。労働環境については、仕事が忙しいときには深夜まで働いたり、時には徹夜したりすることもありますが、そのようなときには来所する時刻を調整するなどして自分で時間を柔軟に管理することができています。休暇についても、私は基本的に週末に事務所で働かないようにしていますし、入所1年目から長期休暇もきちんと取りました。

そして、一番予想外だったのは、先輩弁護士との関係です。私が一緒に働く先輩弁護士に恵まれているということもあるのかもしれませんが、多忙にかかわらず、私が初めて関わる分野については基本から教えてくれますし、私がドラフトした書面を修正した場合にはどうしてそのような修正をしたのか丁寧に説明した上で、今後はどのような点に気をつけるべきなのかを指導してくれるため、大変勉強になりますし、その後に似たような案件に出会うと、自分が少しずつ成長していくのを感じることができます。このように、お互いを尊重し合う自由な雰囲気があり、教育熱心な弁護士が多いところが、当事務所の最も良いところだと思っています。

これまで手がけた仕事の種類について教えてください。

入所1年目の前半は、知的財産の案件を扱ってみたいと希望したこともあり、特許権、商標権、著作権、不正競争防止法上の権利、エンタテインメント・ロー等の分野に関連して、ライセンス契約その他の契約書の作成・検討・交渉、メモランダムの作成、紛争処理等の案件を経験する機会に恵まれました。そのような案件には英語を必要とするものもあり、英語の力を伸ばす良いチャンスになりましたし、現在は知的財産のクロスボーダー案件を継続的に扱うようになっています。

また、1年目の後半には、アジア関係のプラクティスと知的財産のプラクティスが重なるような案件(例えば、日本企業がアジアの他の国に進出するにあたっての知的財産権の処理に関するアドバイス)を手がけるようになり、中国その他のアジア諸国での仕事に興味を持つようになりました。他にも、不動産流動化に関連するデュー・デリジェンスやローン関連契約の交渉、シンジケート・ローン関連の契約書の作成、組織再編に関連する会社法上のアドバイス等、様々な分野にわたる仕事を扱っています。

研修、同室制度、セミナー、勉強会など入所後の継続教育体制について、感想をお願いします。

当事務所の新人研修は、入所後約1ヶ月間、同期全員が同じスペースで講義や演習を受け、最後には合宿を行い、ディベート等で総まとめをするとともに、同期の親睦を深めるというものです。私のように企業法務に関する知識の少なかった者にとっては、研修で聞きかじった知識に救われることも多いですし、何より同期に気軽に相談できるような人間関係を作る機会があったのはとても良いことだったと思っています。

例えば、仕事上の疑問を解決するにあたっては、同じ案件を担当しているパートナーや先輩アソシエイトに質問したり、イントラネットを利用したりする他に、何でも気軽に聞くことができるので、同期のメーリングリストを活用することもあります。実際、同期の間ではいろんな質問が日常的に飛び交っており、お互いに役に立つ情報を提供できると嬉しくなりますし、自分自身が質問や回答をする立場になくても、同期がどのような仕事をしているのか、どのような疑問を持っているのかを把握する良い機会になっています。

そして、当事務所は、入所後1年間はパートナーと同じ執務室で過ごすという同室制度を採用しており、私は、前半は知的財産関係のプラクティスを専門とする弁護士と、後半は中国関係のプラクティスを専門とする弁護士と同室になりました。同じ執務室で過ごしていると、依頼者、スタッフ、同僚弁護士との接し方から仕事の進め方まで、そのまま吸収することができますし、さらに複数のパートナーと同室になることで、弁護士として重要な素質を学ぶとともに、それぞれの弁護士固有の魅力をよく知ることができます。

私が弁護士になって一番難しいと思ったのは、目の前の仕事をこなすだけではなく、継続的に勉強する機会をつくるにはどうしたら良いかという点ですが、専門分野の雑誌記事を定期的にチェックしてファイリングしておく、法律雑誌だけではなく業界誌も購読し、時には依頼者の商品も購入して利用してみる、どんなに忙しくても特定のセミナーには必ず出席する、他の業種の友人との交流を大切にするなど、基本的なことからその人でなければできないことまで、同室の弁護士の勉強の仕方はとても参考になりました。

また、当事務所では、各種のプラクティスグループを中心に勉強会を開催し、法令改正や最新判例を始めとする実務の動向について常に情報共有を図っており、また、所内の弁護士や外部の専門家による弁護士向けのセミナーを定期的に開催して、普段の仕事で触れる機会のない分野について見聞を広める機会を設けていますので、自然と勉強のきっかけをつかむこともできるようになっています。

女性にとっての職場環境としてはどのように思いますか。

仕事でも家庭でも活躍している先輩女性弁護士が多くいることが心強いです。そういった先輩女性弁護士を見ていると、弁護士ごとに個人のライフスタイルに合わせて仕事と家庭を両立させるための工夫をしており、また、事務所としてもそれを応援している姿勢が感じられます。具体的には、休職期間を柔軟に選択する、定時で帰宅できるような執務体制をつくる、できるだけ自宅でも作業できるような内容の業務を引き受ける、などの工夫をしている人がいます。そのような先輩方の様子を見て、将来自分がどのような工夫をして仕事を家庭と両立させていくことができるのか、想像を膨らませています。

今後どのような経験・仕事をしていきたいと思っていますか。

1年目同様、知的財産関連のプラクティスと中国を含むアジア関連のプラクティスについて専門分野として実力をつけていくとともに、最近関与するようになった労働法関連のプラクティス、大学時代に興味を持ったコーポレート・ガバナンス等、引き続き様々な分野にわたる仕事に関与して、弁護士としての土台をしっかり作っていきたいと思っています。

ページの先頭へ戻る