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所得隠し:宗教法人が14億円 ラブホテルを経営

出入り口に観音像が建つラブホテル=長野市で2009年6月9日午前9時26分、大平明日香撮影
出入り口に観音像が建つラブホテル=長野市で2009年6月9日午前9時26分、大平明日香撮影

 長野など5県でラブホテルを実質的に経営している宗教法人「宇宙真理学会」(香川県多度津町)が、関東信越国税局の税務調査を受け、08年2月期までの7年間で約14億円の所得隠しを指摘されていたことが分かった。宿泊料の一部を非課税の「お布施」と偽っていたという。重加算税を含めた追徴税額は約3億円に上るとみられる。

 関係者によると、同会は長野、群馬、新潟、岐阜、静岡の5県で23軒のラブホテルを実質的に経営。客から得た宿泊料や休憩料のうち約4割を「お布施」として売り上げから除外していたという。

 このうち長野市内にあるホテルでは、出入り口に観音像が建ち、「宗教法人 宇宙真理学会」という看板が掲げられている。さらに入り口左側には「喜捨をお願いします」「世界の恵まれない子供たちに手を差し伸べ、少しでも多くの幼い命を救うために」などと記されたプレートもある。

 登記簿などによると、同会は83年設立。その後休眠状態となり、94年に長野県千曲市にある食品会社に買収された。食品会社は68年ごろからホテル事業に乗り出しており、宗教法人へのお布施は非課税となる税制上の優遇措置を悪用したとみられる。

 毎日新聞の取材に対し、食品会社の社長は「国税局に異議申し立てをしているが、会長が不在なので勝手にコメントできない」と話している。【石丸整】

毎日新聞 2009年6月9日 11時31分(最終更新 6月9日 11時43分)

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