2009年6月15日(月)
社会 : リニア新幹線Bルート要望相次ぐ 伊那でJR東海が説明会
更新:2009-6-14 6:01

 リニア中央新幹線の整備をめぐり、上伊那地区の建設促進期成同盟会(会長・小坂樫男伊那市長)を対象にしたJR東海による説明会が13日、伊那市役所で開かれた。JRが念頭に置く南アルプス貫通のCルートについて、出席者からは「コスト面だけでルート選択しているが、あまりにも独善的」などとし、諏訪・伊那谷回りのBルートでの建設を求める意見が相次いだ。

 上伊那地方の自治体の首長や議員、商工団体関係者ら約230人が出席。JRの担当者がリニアの基本技術を説明した。JR側の要請で冒頭以外は非公開で行われた。

 出席者からはルートに関する質問が続出。南ア貫通のCルートについて、「南アに長いトンネルを通すのは危険」「トンネル内で緊急事態があったとき、どうするのか」「リニアは地域振興の原動力になる期待がある。人のいないところに鉄道が走って何の意味があるのか」などと疑問を投げ掛けた。

 JR側は、A、B、Cの各ルートで建設費など主要データを精査中とし、ルートは未決定との立場を強調。今後、主要データを「県に説明し、地域にも説明する。その上で共通の理解に立ち、意見交換を引き続き行う」と理解を求めた。

 出席者からは、このほか「各県のルートは各県に委ねるべき」「1県1駅でなく、駅を増やしてほしい」「人を物のように速く運ぶなら直線になるが、これからの時代は、もっと人間的ゆとりが必要。人間的、将来的な選択を」との要望もあった。

 小坂会長は開会あいさつで、南アの隆起や、国内の長大な山岳トンネルの難工事、南アを世界自然遺産や世界ジオパーク(地質遺産)に登録する運動も挙げ、Cルートに反対する考えを改めて強調。出席したJR関係者に「(Bルートを願う)上伊那の心意気をしっかり(上層部に)伝えてほしい」と求めた。

 終了後の会見で、小坂会長は「説明会のニュアンスとするとCルートありき。今後は知事にBルートをはっきり言ってもらうしかない」と述べ、JRに対しては主要データが出た段階で、地区単位での説明会を開いてほしいとした。

 伊那商工会議所の向山公人会頭は取材に「きょうの説明会は、JR東海の方針を地元が理解したものとは受け止めていない。今後は、地域がなぜBルートが必要なのかを、地元でも意見交換していくことが大切だと思う」と述べた。

 説明会はJRが5月29日に松本市で開いた県内5地区の同盟会への説明会で、地区ごとの開催を求める強い要望が出たため、4地区で開催を計画し、伊那市が3地区目。

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