『動物愛護』をかたって募金詐欺 ３

1 ：備えあれば憂い名無し：2009/05/19(火) 18:50:37 ID:X/atae3A0

前スレ：『動物愛護』をかたって募金詐欺 ２
http://gimpo.2ch.net/test/read.cgi/bouhan/1239082557/
「婆よけ」のためにこの板で続々編！

そもそもは「knd_pev77さん」が【青森県で起った麻酔銃による子犬死亡事件】の真相を究明するスレが立てられたのが始まり
元スレ：青森県で起きた子犬射殺事件は本当なのか？
http://s02.megalodon.jp/2008-0903-2233-31/namidame.2ch.net/test/read.cgi/dog/1219741424/


ところが元ネタは
＞東京都町田の高校教師が青森の田舎に来て不安なところに、
＞近所で犬の捕獲があった。
＞麻酔銃で捕獲していたらしい。（←らしいがポイント ！）
＞なんて野蛮なところに来てしまったんだろう。
＞ホームページに書こう。
＞しかし今では近隣の人とも親しくなって人生をこの地に全うする気持ち。
＞過去の自分の現地の人（田舎者）に対する書き込みは削除。
というまったく信憑性のないものと判明

295 ：田舎獣医：2009/06/15(月) 04:34:39 ID:zu9fpKPK0

おはようございます

例のブログで、中国での「撲殺処分」が残酷だと取り上げられていました

犬を撲殺することが残酷である、という意見には、私もまったく同意です
しかし、その前提となる、「狂犬病が蔓延して死者が出ている」という事実を
しっかりと見きわめた上で、その緊急性や重要性を判断する必要があると思います

中国は、現在でも１年間に３０００人近くの人が狂犬病で亡くなっています
中国における感染症の死亡者の１位は結核、２位は狂犬病、３位はエイズで、
狂犬病による死亡者は感染症による死亡者全体の約２０％を占めているのです

よく知られている通り、狂犬病は発症すれば治療法がなく、
ほぼ１００％の確率で死に至る病気です

人口が多く、ワクチンが不足している中国では、狂犬病の蔓延を防ぐには
残酷ではあっても感染地域の犬を「淘汰する」ことが最も効果的であることは
否定できないと考えます

ただし、その手段として、薬品を使わずに撲殺するという
手段がとられてしまったことが残念なことなのです

296 ：田舎獣医：2009/06/15(月) 04:35:29 ID:zu9fpKPK0

ところで、「薬品を使った致死処分」が残酷でないのかどうかは
また別の次元で考えなければなりません

日本で狂犬病が発生した場合、その掃討に使われる薬品は
「硝酸ストリキニーネ」とすることが狂犬病予防法施行規則で決められています

この硝酸ストリキニーネは、中枢神経に作用して全身の筋肉を痙攣させ、
呼吸筋にも作用して呼吸困難から窒息死にいたらせる作用があります
そして、硝酸ストリキニーネは、脳の感覚野にはいっさい麻痺を及ぼしません

ですから、硝酸ストリキニーネを投与された犬は、意識を失うことなく、
全身の筋肉が痙攣する激痛の中で、息ができずに死んでゆくことになるのです

どうしてこのような「非・人道的」な薬品が使われるのかというと、
それが狂犬病の蔓延を防ぐという緊急かつ重要な理由があるからです

硝酸ストリキニーネの毒性は極めて急激にあらわれますから、
これを投与された犬はすぐさまその場に倒れます
そして全身性の痙攣を起こしているために、
人や他の動物が近寄ってきても咬みつくことができません

これが狂犬病の蔓延を防ぐためには都合がいいのです

297 ：田舎獣医：2009/06/15(月) 04:36:25 ID:zu9fpKPK0

それではなぜ中国でこの薬品が使われなかったのか、ということを考えると、
それは社会的な安定がない国で安易に毒薬を配布すると、
それが横流しされて犯罪に使われるおそれがあったからなのではないかと考えます

硝酸ストリキニーネの致死量は、成人の場合50〜100mgとされています
つまり茶さじ１杯（３ｇ）で、５０人以上の人を殺すことができるのです
このような危険な毒物が、もしも横流しされたらとんでもないことになります

ですから、行政の目が行きとどかない地方での掃討に、硝酸ストリキニーネを
使うことができなかったのも仕方のないことだったのかもしれません

ただ、万一日本国内で狂犬病が発生した場合には、法律で決められたとおり、
硝酸ストリキニーネを使った淘汰が行われることは間違いありません

狂犬病予防ワクチンをうたせないオーナーさんは、自分のしていることが、
「全身の筋肉が痙攣する激痛の中で息ができずに死んでゆく犬」をつくってしまう
可能性を確実に積み上げているということを知っておいてほしいのです