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内野5人の奇策ズバリ、「7―2―3」併殺 広島

2009年6月15日9時9分

(14日、西武4―4広島)

 試合終了後、ヒーローになり損ねた西武の黒瀬が、悔しそうに漏らした。「自分のスイングは出来ました。でも、打って、顔を上げたら、小窪さんが捕っていた。最悪です」

 広島の奇策がまんまとはまった。外野に抜ければサヨナラ負けする同点の12回無死満塁。ここで、ブラウン監督が異例のシフトを敷く。左翼手の末永に代え、小窪だ。しかも、外野手でない小窪が就いた守備位置は二遊間、セカンドベースのほぼ前方。1点もやらないという執念がこもった「内野手5人」だった。

 黒瀬の打球は鋭い中堅方面へのゴロ。誰もいなければ、間違いなく中前サヨナラ打だった。が、小窪がいた。難なく捕球すると、ボールは本塁、一塁と転送され、記録上、奇妙な7―2―3という併殺が成立。後続もしのぎ、試合をドローに持ち込んだ。

 今季、5人シフトは何度か試みている。が、完璧(かんぺき)にはまったのは初めてだ。「最後の手段だが、助かったねえ」と得意顔のブラウン監督。一方の西武・渡辺監督は「黒瀬は自分の打撃をしてあそこに飛んだ。しょうがない」。

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