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ソウルの中心で叫ぶ「韓国は独裁国家だ!」(上)

「テレビをつければ反政府の声が放映されるのに独裁国家だって?」

 2009年の大韓民国は独裁国家なのか。時代や現実にそぐわない虚像が原因となり、国全体が騒がしくなっている。

 金大中(キム・デジュン)元大統領が公式の席で、「独裁者の機嫌をとるな。誰もが立ち上がらなければならない」と叫ぶと、12日には金泳三(キム・ヨンサム)元大統領が金大中氏に向かって、「舌先で国民を惑わすその口を閉じよ」と攻撃した。大統領府や与党、野党が時ならぬ独裁問題で、朝から晩まで熱い論争を繰り返している。こうなると一般の国民としては「今自分たちは独裁国家で生活しているのだろうか」と混乱しかねないような状況だ。では実際に大韓民国は独裁国家のような状態にあるのだろうか。

 野党や左翼団体は今月10日、ソウル広場で数万人が集まる集会を許可も得ないまま強行した。前政権においても同じ場所で同じような集会を行うことは違法としていた。しかし警察はその違法の根拠となっている法律が同じであり、また同じように「違法集会」と規定しながらも、ただ手をこまねいて見ているだけだった。むしろデモ隊の方が警察に対して怒鳴り声を上げるなど暴力的で、警察は相手の顔色をうかがうだけだった。テレビ放送では警察が盾を前面に出すだけで駆け寄ってきては、監視のためのカメラを警察に向けた。野党の論理に従えば、このような行動は独裁国家の警察がすることだというのだ。

 また政府が事実上の人事権を持つ地上波放送局は、この日のトップニュースとして「民主主義の後退に抗議する国民10万人以上が広場に集まった」として、警察推定の2万人ではなくデモの主催者側が発表するデモ参加者数をそのまま報じ、政府を非難する論調の記事を6つも相次いで報じた。一方「違法な暴力行為を行ってはならない」とする大統領の発言は短信として短く報じた。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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