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郵便不正:議員事務所で伝授 白山会創設者が会長に手口

守田容疑者の政治家人脈と郵便不正事件の構図
守田容疑者の政治家人脈と郵便不正事件の構図

 障害者団体向け割引制度を悪用した郵便法違反事件で、障害者団体「白山会」会長の守田義国容疑者(69)が、支援する国会議員の事務所などで同会創設者の倉沢邦夫容疑者(73)と出会い、制度悪用の手口を伝授されていたことが分かった。倉沢容疑者はかつて別の国会議員の秘書を務めたことがあり、大阪地検特捜部は、守田容疑者が違法ビジネスを拡大させていった背景には、こうした政治家人脈があったとみて経緯を聞くとみられる。

 伝授の場所となったのは、民主党の牧義夫衆院議員(51)=愛知4区=の事務所。関係者によると、守田容疑者とは牧議員が鳩山邦夫総務相の秘書時代(87年8月~98年12月)に知り合った。今でも2、3カ月に1度は会う関係という。一方、倉沢容疑者は元々、石井一二・元参院議員の秘書で、事務所で一緒だった後輩秘書が牧議員の下に転属して以降、牧議員の東京都内の事務所を頻繁に訪問するようになった。

 両容疑者は05~06年ごろ、牧議員の関係者を通じて紹介され、牧議員の東京都内の事務所で初めて面会。後援会の集まりでもよく会うようになった。倉沢容疑者は当時、白山会の前身「凜(りん)の会」代表で、04年から割引制度を悪用してダイレクトメール(DM)を発送していたが、手間がかかり、会の運営に支障が出始めていた。牧議員の関係者は守田容疑者を「経営のプロ」として紹介し、守田容疑者が「白山会」として倉沢容疑者の事業を継承。事務所での会話で手口なども伝えられ、守田容疑者は違法DMビジネスに傾倒していったという。

 一方、守田容疑者はこうした交流を機に、牧議員の秘書との距離も縮めたとみられる。この秘書は07年1月ごろ、違法DMの発送が埼玉県内の郵便窓口で拒否された後、守田容疑者の陳情を受けて、日本郵便に同行。その後、新東京支店で発送が認められた。また守田容疑者が経営する経営コンサルタント会社は07~08年、牧議員が代表の民主党支部に計24万円を献金している。【林田七恵、久保聡】

毎日新聞 2009年4月20日 2時30分(最終更新 4月20日 10時34分)

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