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会議の名称 茨木市総合計画審議会第1専門部会(第2回)会議
開催日時 平成16年8月20日(金)午後5時30分 開会 午後7時30分 閉会
開催場所 茨木市福祉文化会館 202号室
出 席 者 【審議会委員】
國井 和郎、志水 紀代子、小尾 義則、瀧端 真理子、
井上 勝美、朝田 充、原田 弘毅、松本 秀夫、土肥 佳代、小山 邦夫

【参与】
南助役、川上総務部長、松本総務部理事、松本企画財政部長、
津田市民生活部長、奥原健康福祉部長、越水管理部長、
八木学校教育部長、松山生涯学習部長
欠 席 者 斉藤 愼
事 務 局 刈谷企画調整課長、塩見課長代理、神谷係長、小西主査、阿曽主事 石井主事補 他
次   第 1) 開会
2) 基本計画(案)第T編第1章、第5章、第6章について(審議)
3) その他
4) 閉会
配布資料 なし
傍聴者 0名

議事の内容(一部は要旨):(敬称略)

1)開会

刈谷課長 ただ今から、茨木市総合計画審議会第1専門部会を開会いたします。委員の皆さま方には、大変ご多用のところご出席をいただきまして、誠にありがとうございます。それでは、志水部会長に議長を務めていただき審議を宜しくお願いします。

志水部会長(以下、部会長) 委員の皆さん、参与の皆さん、ご多用のところ、この部会にご出席いただきありがとうございます。会議に入ります前に、本日の委員の出欠状況について事務局から報告していただきます。

刈谷課長 第1専門部会委員は委員総数11名です。現在出席10名となっています。本日齊藤委員が欠席という連絡をいただいています。したがって、過半数のご出席をいただいていますので、茨木市総合計画審議会運営規則第2条第6項により、会議は成立しています。

部会長 ありがとうございました。それではこれより会議を開会します。前回同様、会議終了は19時30分を予定していますので、よろしくご協力くださいますようお願いします。審議会第1回会議で決定されたとおり、会議は公開としておりますので、よろしくお願いします。


2)基本計画(案)第T編第1章、第5章、第6章について(審議)

部会長 続きまして、審議案件1番目の基本計画(案)第T編第1章、第5章、第6章の説明と審議に入りたいと存じますが、前回の会議において、第1章、第5章第1節46ページまで審議を終了していますので、本日は46ページの第5章2節から審議に入りたいと思います。それでは、第5章「2 豊かな心を育む教育の推進」について、委員の皆さまのご意見を賜りたいと存じます。ご自由にご発言ください。50ページまででお願いします。

小山委員 46ページの学校教育の充実についてですが、シックスクール症候群対策について計画に記載するべきではないかと思います。シックスクール症候群は学校の児童が体調をくずすなど、大きな社会的問題になっています。学校環境衛生基準が改正され、化学物質の濃度調査が市町村に義務付けられ、対策の強化が求められています。子どもが安心して学校で暮らしていけるよう計画を実施していく必要があると考えています。
 2点目ですが、47ページの将来計画「1 義務教育の充実」についてです。今日的問題である少年非行問題について考えています。少年非行は、社会情勢からみて道徳教育の推進が極めて重要と考えられます。したがって、そうした道徳教育の考え方も反映させるべきと思いますが、皆様はどのようにお考えか伺いたいと思います。
 3点目ですが、50ページの将来計画「(3)子育て支援」についてです。この記述ですが、「家庭・企業・地域が一体となって総合的な子育て支援を行う」という表現に加筆・修正してほしいと思います。

部会長 小山委員より3点の指摘をいただきました。1点目は46ページの「(1)学校教育の充実」において、シックスクール症候群対策が必要ということでした。2点目が47ページの将来計画の「1 義務教育の充実」で特に道徳教育が必要、ということで、各委員の意見も伺いながら、計画に反映させてほしいということです。3点目が50ページの将来計画「2(3)子育ての支援」において、家庭・企業・地域の総合的支援のシステムが必要ではないか、企業が抜けているのでは、ということです。
 以上の意見について、いかがでしょうか。例えば、シックスクール症候群対策について茨木で実態調査をしたことはありますか。具体的なデータがあれば、説明いただきたいと思います。

越水部長
 シックスクールについては、学校の特別教室を含め濃度の検査を昨年から実施している。 国の基準も毎年厳しくなってきているようですが、茨木市では現状として、その基準をクリアしています。ただ、幼稚園などで子どもに発疹がでたというケースが1件ありました。このケースでは、床に油を塗っていますが、その油を除去して事なきを得ています。それから換気をきちっとしているということです。適切な対応に努め保護者に理解していただいているのが現状です。
 新しく建物を建てたり、改装したりする時に使う建材は、国や府の基準をクリアした商品を使っています。このように教育委員会と建築部局が連携して取り組んでいます。新たに彩都西小学校が今年度開校しましたが、シックスクールの観点からも十分な配慮をしながら建築したので、現在シックスクールで悩んでいる児童はいません。どの教室も基準値を全てクリアしていますので、今は問題はないと考えています。

國井委員 我々は今後10年にわたる基本計画を審議する立場にあり、個々の具体的施策について議論することではないですし、議会が決める方針に我々が立ち入ることはありません。そうした観点からすると、今の議論は「学校の衛生環境を確保する」などという一文があれば、それにしたがって問題が生じたときに議会や役所で対応していただくことになります。個別具体の問題を取り上げると切りがありません。
 道徳教育については、47ページの下から3行目に若干の記述があります。同時に教育内容は国の基準、これは自由化されるかどうか問題になっていますがそれに従わざるを得ない面があり、茨木市でできることは教育内容ではなくて、体制の支援となるので、私はこれ以上は必要ないのではと思います。少年非行については、青少年の健全育成で議論すべきことで、市が立ち入るということは、ある程度抑制的でなければならない面もありますので、検討する必要があると思います。

朝田委員 私はこの審議会では、個別具体的なことでも気になるのであれば審議するのはよいと思います。

國井委員 気になるのは構わないですが、それであれば、抽象的、一般的に記述することになると思います。

朝田委員 そういうことを言っているのではなくて、気になる点があり議論してほしい、ということであれば、この審議会は審議をする場なのでよいと思います。この審議会には計画案として出来上がったものが提示されている、という意見もあるとは思いますが、気になる点については、議論すべきと思います。ただ、審議会の期間が短すぎます。そもそも10年の計画を数ヶ月で議論すること自体がもともと無理がありますが、ただもう少し柔軟に進めてもよいのではと思います。
 私はシックスクール症候群についての記述は大いによいと思います。ただ、道徳教育は一般になると様々な意見があります。戦前の精神教育を強調する人もいれば、そうでないという人もいます。私はこの市民道徳についてもっと議論すべきではないかと思います。一般的に何が市民道徳か、ということについての議論の場が必要ということは賛成です。ただ、内容を書き込んでしまうと、誤解を招く恐れもあります。子育て支援についても家庭・企業・地域ということですが、企業の参入前提は儲けなので、市民がコントロールできるかどうかが問題です。子育て支援については、行政課題として企業との関係が出来てくると思いますが、それを市民が主役で規制できるかどうかが鍵と思います。企業が全面にでればよい、ということではありません。

刈谷課長
 子育て支援の問題ですが、前回議論があり、7ページに福祉の項目で子育て環境の整備という節があります。確かに、行政が企業にどれだけ入り込めるか難しいところですので子育て環境・就労の支援などという形でここでは書いています。7ページで少子化対策について書いていますので、50ページの子育ての支援というのは教育の推進の項目なので、そういう視点で見ていただければ、と思います。

土肥委員
 シックスクールの件ですが、子どもを持つ親としては、「シックスクール」ではなくて、エアコンの設置なども考えられるので「衛生環境を整える」という文言にしてほしいと思います。様々な立場によって、様々な捉え方ができるような表現にした方がよいと思います。シックスクールなどの文言にとらわれてしまうと、衛生環境の整備が進まないかもしれないなどの不安もありますので、「環境整備」などの広く捉えられるような文言を入れていただければよいと思います。

部会長
 國井委員の発言と同じですね。

土肥委員
 50ページの将来計画「2(3)子育ての支援」についてですが、私はこの文章を読むと、子どもを生みやすい環境をつくるとは捉えられなくて、今、子どもを生んでもきちんと育てられない親をどのように支援していくか、あるいは市役所が子どもをどのように支えていけるかについての記述と認識しています。この受け止め方で合っているならば、企業という文言はむしろ入れないほうがよいのではないかと思います。

瀧端委員
 2番目の非行問題、道徳教育についてですが、47ページの目指すべき姿の「生きる力」というのが何かわかりません。10年後を考えるとフリーターにならないような「生活力」を言いたいと思いました。そこで目指すべき姿で「児童・生徒に「生きる力」を育む」を「児童・生徒に「生活力」を育む」とならないか、と考えました。
また「個性を生かす教育」というところで、「個性」というと聞こえはよいですが、心配すべきことは、「個性」という名前のかげで、基礎的な読み書きのできない子どもが増えることです。「個性を生かす」というのは削除し、「基礎的、基本的な内容の定着を踏まえた教育」としてもよいのではないでしょうか。
 それから49ページの現況と課題で「生きる力」という表現があり、これも「生活力や小学校以降の」としてもよいのではないでしょうか。
 49ページの目指すべき姿の「心の教育」も具体的に何を指しているかわかりません。心の領域は個人的、私的な部分なので、行政が関わる計画に盛り込むのは避けるべきと思います。この目指すべき姿は「幼児期からの「心の教育」や」を削除して「幼児期における教育活動」とした方がよいのではないでしょうか。
 青少年健全育成の点ですが、50ページ上の現況と課題で「社会環境の浄化活動」とは何を指すのでしょうか。将来計画「2(2)社会環境の浄化」で「街頭パトロール、立ち入り調査等の社会環境浄化運動の活性化、」とありますが、私が住んでいる地区の自治会で親が年に一回ほど夜回りを実施しますが、子どもは全く別の場所で遊んでいるので、この2(2)の項目はあまり記述してほしくないと思います。
 将来計画「1(1)学習機会の充実」において「美しいものを美しいと感じる心」とありますが、芸術面では何が美しいかという議論があるため、この文言は入れてほしくないと思います。「美しいものを美しいと感じる心、生命を尊ぶ心、思いやりの心、ルールを守る心」は削除して、「人々との交流を通して、豊かな人間性を身に付けることができる」とした方がよいと思います。

朝田委員
 基本計画や基本構想の31ページにも「生きる力」という表現があります。下から6行目に「社会の変化に柔軟に対応できる資質に富だ」というのが生きる力の解説になるのだろう、と思いました。「生きる力」とはどういうことか生涯学習に関わりのある人に聞いたところ、「失業しようが、屈折せず強く生き抜く力だ」ということでした。誰しも、強く生きてほしいというのは願うところですが、自殺やリストラ失業等を当然の前提としているので、それ自体は大人の責任放棄だと言えます。こういった表現は削除すべきだ、と指摘されたことがあります。

國井委員
 「生きる力」は行政用語ですか。全体会議の時に説明があったかもしれません。二人の発言内容とずれるかもしれませんが、病人や体の弱い人に対し「生きる力」、「生きる力の養成」をするという表現を用いると、そうした人はどうすればよいのか、と不安になります。もし他に適切な用語があればそれを選択した方がよいのではと思います。
 行政の中で「生きる力」という語句がトレンドであれば、その意味がわかるようにする必要があると思います。道徳的な側面、個人的な趣味に関することは行政に立ち入れないことは理解できます。「豊かな人間性」も同じことではないかという気がしますが、今指摘のあったような点で、行政として合う文章表現であればよいと思います。
 また、社会環境の浄化について議論がありましたが、街頭パトロールがこの内容のもとにあるのはどうか、と同じように感じます。ただ、保護者協会が全国レベルで「明るい社会をつくる」をスローガンに取り組みを進めていることもあり、それは尊重されるべきと思いますが、社会環境の浄化というのは、「おかみが上から何かをする」という感じがします。実施内容は理解できますので、表現としてよりふさわしい表現があれば変更すべきと感じました。
 私の懸念ですが、48ページの下から9行目に将来計画として「7 開かれた学校」という項目があります。これは学校の施設を開放するということですが、大丈夫でしょうか。多くの行政はそうした施設を一般に供与しないようにしていると思います。私はそのことは間違っていると思います。せっかくある学校施設なので、使えるものは一般に開放するのが望ましいと思いますが、こう書いてしまった後で賠償責任の問題となる可能性もあります。そのリスクマネジメントも考えた方がよいのではないでしょうか。私は個人的にはこの精神について賛成です。責任追及に関する厳しい議論も抱えているわけですが。このあたりは矛盾ですが、一考していただく必要があるのでは、と感じました。

八木部長
 「生きる力」については、文部科学省や大阪府教育委員会でも使っています。また、学習指導要領の中にも括弧付きで使われています。その定義ですが、自ら学ぶ力、豊かな心、健康な体力など全て含めて、「生きる力」として解釈して使っていますので、ここで使っています。

瀧端委員
 文部科学省で使っていること自体は知っていましたが、それ自体疑問を感じていました。基礎的な学力をすべての人に供与するのが大前提だと思っています。生きていくためにはまず基礎学力を保障するのが大事だと思います。
 48ページの将来計画7で「学校施設の維持管理の協力者として位置付け」とありますが、学校施設の維持管理者は行政の仕事ではないのでしょうか。ボランティア等の活動面での協力はわかりますが、施設の利用者が維持管理にどう関わるのかわかりづらいです。

南助役
 「7 開かれた学校」の意味と地域開放する内容についてですが、施設を使ってもらい地域へ還元する、という意味で施設の利用をしてもらっています。今ここで書いたのは、地域との連携の中で、学校だけが施設管理をするのではなく、使ってもらった人に施設を守ってもらう、という意味で記述しています。使用者は保護者、地域の方々として記述しています。ただ、ここの「開かれた学校」というのは、地域に開放しながら、学校も孤立するのではない、ということが前提としてあります。事故の問題等について議会でも議論がありました。この表現については工夫すべきで、校門を開放するのと、地域に開放する、という両方の意味に捉えられるとなると問題だと思います。

國井委員
 いろんなパターンが考えられます。ここは今後、知恵の出しどころだと思います。学校施設は地域の財産としてはフル活動させるべきです。ただ、それにかかる外部化の手立てを考える必要があってと、例えば、日曜だけ運動場を開放するがその整理整頓はある契約団体が責任を持つ、などということが必要となります。ここで「設置管理」でなく「維持管理」となっているのは法律用語に則っている、ということでしょうか。それならわかりますが。

小尾委員
 47ページの将来計画「2 特別支援教育の充実」の中で「特別支援教育コーディネーター」とありますが、スクールカウンセラーとも違う印象を受けますし、スクールソーシャルワーカーも含めて人材活用、人材登用を念頭にあるのであれば大変ありがたいと思います。これを市として今後10年間に渡って各校においてどのような人がこうした人材を担えるのでしょうか。

八木部長
 特別支援教育コーディネーターは教員がやります。教員を研修して、コーディネーターとして関係機関の連携も含め、能力のある先生を育てます。全部の学校にコーディネーターとなる先生を一人一人置き、現在はその人たちを指導しています。

小尾委員
 外部から人材を登用するということではないのですね。先生がするとなると兼務されるということですか。

八木部長
 仕事を持ちながら専門性を身に付けてもらいます。教員の代表を選び勉強してもらい、その人がリーダーになるという方式をとっています。

南助役
 小山委員から少年非行について発言がありましたが、少年非行については、19ページの下で防犯対策の一環として捉えており、また、49ページにおいても青少年健全育成の点で捉えられると思うので、少年非行としての記述は必要ないと考えています。

土肥委員
 「開かれた学校」についてですが、文言を検討というのは「開かれた学校」という言葉自体を検討するのか、その説明の文言を検討なのでしょうか。

南助役
 48ページの将来計画で学校の施設開放という概念なので、その次の2行を検討したいという考え方をしています。

土肥委員
 今PTAと学校で一番問題になっているのが、不審者対策です。なぜこれほどまでになったかというと、開かれた学校というのは数年前から言われており、結局今のような状態になっているからです。今さらなぜ開かれた学校という表現を使うのでしょうか。開かれた学校と以前から言われ続けて、今のような問題のある状態になったのではないかと思い心配しています。不審者対策をどうするかについて大きな問題となっている今の時期になぜこうした項目を入れるのが不思議です。
 もちろん、土日の校庭を貸す例や、公民館が学校の中にある例もあり、公民館に来た人が学校の施設を利用する例もわかります。今すでに実施されているにもかかわらずなぜあえて明文化しなければならないのでしょうか。すでに実施されていることに関してあえて明記する必要はないのではないでしょうか。開かれた学校という表現自体は今から10年では必要ないのではないでしょうか。

部会長
 土肥委員の意見としてはこの項目自体が必要ない、という意見でしょうか。

土肥委員
 そうです。すでに地域に開かれているのではないか、という趣旨です。学校を地域に開放すべきという趣旨か、設備を協働で維持していくべきという趣旨か、わかりません

八木部長
 開かれた学校の意味として2つあります。学校を開くという点では情報をひらく、教職員の意識、学校を外へ公開するという意味がまず1つあります。また、体育館を貸したり図書室を開放したりするなどのハード面での施設開放を進め、学校を理解してもらい、地域の人と協働で学校を支えていく、という2つ目の意味があります。また、ゲストティーチャーなどを地域から招き授業に入ってもらったり、クラブに一緒にしてもらったり、というところで学校を大きく開くという意味でも使っています。ここでは、「施設の開放」という表現に偏っているので、施設面での開かれたという意味が強く出てしまっています。議論は様々にありますが、現在は様々な取り組みを進めて学校をオープンにしていこうという動きを進めています。校門を開ける、閉めるという意味ではなく、学校の教育内容も全て開き、地域と連携し子どもを育てていく、という意味があります。そうした意味も様々に含むことをご理解いただきたいと思います。

部会長
 結果として矛盾せず、逆にオープンにすることでいろいろと子どもたちに目が届く、ということで不審者対策にもなる、という側面もあると言えますね。

瀧端委員
 49ページの一番下で「青少年が問題行動を起こさないよう、」とありますが、これは青少年が問題を起こすだけではなく、風俗、援助交際など大人も問題を起こすことが考えられますので、「青少年が問題行動を起こす」という表現は望ましくないので、この部分は削除し「青少年の命を守り、青少年が自ら生命の大切さを」とすればよいと思います。
 「家庭の役割の重要性を啓発し」についてもプライベートな領域なので、ここで書かなくてよいのでは、と思います。

部会長
 いかがでしょうか。意味付けがあるのではないでしょうか。

原田委員
 私は、学校教育は当然のこと、家庭教育を徹底すべきという考えを持っています。家庭教育がおざなりにされているところが問題だと思います。私は実際に保護司をしており、15年間対象者が途切れたことはなく最近になって急に増えてきました。昭和56年頃は児童数が1,300人くらいいましたが、今200人くらいしかいません。ただ、今の方が問題は非常に多いです。

瀧端委員
 今よく少子化ということが言われますが、女性が子どもを生みたくないと思うのは、母親だから子育てをしっかりしなさい、という世間の厳しい目や、体罰による世間の目が気になって余計に子どもを生みたくないという雰囲気を作っているからではないでしょうか。家庭で子どもを育てるにあたり手助けが必要な人にそうした手助けを用意するのは必要ですが、今の表現では積極的にプライベートな面に踏み込んでいると感じます。

原田委員
 家庭教育というのはしつけの問題ですが、それをここに記載するかどうかは別問題として、家庭で教えるべきことを小学校の先生が教えている現状があります。しつけは当然親がすべきだと思います。

國井委員
 おっしゃることは私も同じように思います。普通家庭でやることがなされてないどころか、家庭であってはならない犯罪があるという実態に対し、個人を責めることができない場合もあります。そのため、行政はネットワークでそういう人を支援するような組織を支援するといったことが必要と思います。子育てに悲鳴をあげた主婦のネットワーク組織立ち上げの話も聞きました。本来母親がしないようなことをする母親が現れたり、父親としてやるべきことをやらない以上にやってはいけないことをやる親が現れたり、そうした家庭崩壊が現実にあるため、行政としても、ネットワーク組織をつくるのなら、そのお助けをします、あるいはそうした活動の場をつくります、という趣旨であれば理解できます。ただ、非行する青少年の更生は行政の仕事ではないのでそれははずさないといけませんが、49ページ末からの趣旨は、私の理解のようなことかと思いましたが、誤解を招かないような工夫が必要かもしれません。あるいは別のことを考えているかもしれませんが。

松山部長 表現的には問題あるかもしれないが、子育ての実情はご指摘のとおりです。地域だけでなく家庭と地域と社会とで対策に取り組んでいくべきというのが趣旨です。

部会長
 「啓発し」という表現も考えられませんか。

國井委員
 啓発だけでなく、教えないといけない親もいるのではないでしょうか。これまで、法は玄関から中に入らない、というのが原則でした。今はそんなことを言っている状況でなくなってきました。事の当否でなく、客観的事実としてそれがある、ということです。

部会長
 虐待はなぜ防止できないか、という内容がこのあたりで言われていると思って読んでいました。

原田委員
 犬や猫でも自分が生んだ子どもをきっちり育てるのに、なぜ人間だけできないのでしょうか。今は、親になる資格のない親が多すぎると思います。

瀧端委員
 「家庭を支援し」などの表現に変えられないでしょうか。「青少年が問題行動を起こさないよう」というのはもう一工夫必要です。

國井委員
 社会だけの話を言っているのではないのはないでしょうか。青少年が問題を起こさないような社会をつくるために、どういった手立てが必要か、という視点からの文言ではないでしょうか。

原田委員
 私は仕事で大阪市に行きますが、こんな場所に子どもを連れていってはどうなのか、というほどの大変な環境です。全体を考えてきっちりとしていかないといけません。大阪の繁華街では、取り締まりを実施できないのか、と思うほどの大変な状況となっています。その点で茨木市は別ですが。

部会長
 皆さんが考えておられることを発言いただきましたが、共通する点もあるでしょう。文言の表現が不十分で、誤解を招く、という指摘でした。事務局で対処してほしいと思います。

松本部長
 ご指摘をいただいたので、それらの考え方を踏まえて、文章整理をしたいと思います。

部会長
 ここまで意見が出たので、後は事務局におまかせします。

土肥委員
 48ページの将来計画「4 学校の安全対策」の「(2)不審者対策」において、「平成13年8月今後、校門等での効果的な不審者対策を実施します。」とあります。先日7月から各小学校の前に受付員という形で、学校に入る人をチェックしています。そのような不審者対策の一環をしているにもかかわらず、これが不審者対策のすべてという書き方はいかがなものか、と思います。受付員の設置も教育委員会によれば平成18年3月までと聞いています。その後は地域の方の協力を仰ぎながら、地域の方に移行していく体制を作っていく、と聞いています。しかし、この文章を見ると地域という語句が入っていませんので、あくまで行政がこれを今後10年ずっとやっていく、という表記になっているように思います。
 また、不審者対策がはたして受付員の配置だけでよいのかという問題もあります。池田市では携帯メールなどで不審者情報の配信をし、国でもいくつか都市を決め、行政が不審者対策のメールを送る対策を進められています。今の段階では不審者対策は受付員とメールの配信になっていますが、今後10年間でどう変わるかわからないので、ここで受付員のみの記述はまずいのではないでしょうか。文言を整理してはどうでしょうか。

朝田委員
 茨木では緊急通報装置を学校に設置しましたが、これが役割を果たしていません。通常、緊急通報装置はボタンを押すと通報されるものと思うでしょうが、そうではなく、各教室にあって、どの教室で押されたかわかり、2人組で確認して、警察に通報できる仕組みになっています。
 先日、警察も同行し訓練をした事例があり、不審者がいるときに2人で確認しに行かないといけないところを人員が足りないため、1人で実施しており、それでは意味がない、という指摘がありました。また「さすまた」の支給もあり、自分で戦え、ということでしょうが、これも現場で役に立ちません。どうも効果的な手が打てていないように思います。
 そこで、1つは人員配置が重要と思います。受付員の配置もあるでしょうが、校門での効果的な不審者対策でなく、抜本的なものを書いてはどうでしょうか。地域も困っており、現場も困っていると思います。必要なところはお金をかけるべきです。

南助役
 確かに不審者対策として2つしかやっていない、という現状しか書いていません。市で受付員を配置し、地域の皆さんの応援をお願いしたいです。学校の中だけで、先生も含めて行政がきちっと守る、というのが本来だと思いますが、先生も児童を守る体制を取る必要があり、そうした訓練もやってもらっています。通報装置も設置し、事故が多いので素手でやるのではなく、さすまたを用意しています。
 不審者対策として、門を閉め人の出入り禁止という体制でやることが必要ならそうすべきですが、我々としては、今後行政だけで学校を守るのではなく、取り巻く地域の皆さんに学校に注意を向けてもらい、周りでも対策に取り組むことを考えていきたいと思います。人員の配置ということも必要かもしれませんが、不審者対策については、市の思いが伝わっていないようなので、加筆修正を含め検討したいと思います。

越水部長 緊急通報装置は池田小学校事件の直後に設置しました。普通教室の前後に押しボタンをつけています。それを押すと、職員室で今どこで押されたかが、わかる仕組みになっています。この方法は池田小学校事件を踏まえ、茨木警察と調整をし、指導を仰ぎながら設置しました。これは学校にも有効に活用できるように日々の中で避難訓練などの際に活用していただきたいと考えています。
今後も様々な事件があるかもしれませんが、我々は緊急通報装置が非常に活用できるものと理解しています。

部会長
 そのボタンは子どもが手に届くところにあるのですか。

越水部長 先生と児童がボタンを押します。小学生であれば手を伸ばせば届きます。ボタンに対する指導については教育委員会が指導しています。そして避難訓練等で実施をしています。

國井委員
 学校の事故は校門から入られた場合に事故を防止することは不可能です。被害者を減らすことしかできないはずです。緊急通報装置のボタンなどもそうした意味でしょう。やはり校門で不審者を入れないようにすることをベースにして、不審者に入られたら、被害の程度を抑える方策しか取れないと思います。日頃からの訓練が行き届いていても、とっさにはできません。それらを踏まえて、ここでは不審者対策という言い方では足りないという意見でした。校門等では現状では受付員が配置されていますが、それのみでは足りないという趣旨でしょうか。

土肥委員
 この文章で通すのであれば、3年後から地域に移行するということを入れているので、「地域」という言葉をいれるべきです。不審者対策ということであれば、「校門等での効果的な不審者対策を実施します。」という文章だけでは今後10年間を考えると弱いのでは、と思います。校門以外のメール配信もあります。後ろの内容の肉付けをしてはどうでしょうか。地域という文言を入れた上で、次節に不審者対策内容が変わってきますので、そのあたりの文言を練っていただきたいと思います。内容が限定されてしまうと、これだけやっているのでよいだろう、ということになってしまいます。

八木部長
 「通学途中」の安全対策となると、入口だけになりますので、子どもの登下校においても地域と連携して進めることになっていますので、そうした記述を後半に追加すれば幅広い安全対策ができる、ということでしょうか。

土肥委員
 いちいち具体的文言を入れる必要があるのか疑問を感じます。

部会長
 難しいですね。具体的に書かずに抽象的にぼやかす必要があります。

小尾委員
 特別支援教育の視点からですが、この文章に書き込むかどうかは別にしても、例えば、スクールソーシャルワーク、スクールカウンセラーなど外部の人材を含め、登用・活用して、特別支援を必要とする児童・生徒の取り組みの充実を検討していただいていますでしょうか。

八木部長
 現在、専門家の力も借りています。47ページの将来計画「2 特別支援教育の充実」の2つ目ですが、「専門家の支援体制の整備」について触れています。現在、専門家の巡回や研究所に来てもらうなど、充実を図っています。中学校についてはスクールカウンセラーの全校配置をおこなっていますが、小学校についてもその校区の中学校で包括的に相談できるようになっています。特別支援教育の内容については、臨床心理士、学校心理士などを増やし、希望があれば巡回するなど整備に努めているところです。

小尾委員
 そうしたところで踏み込んだ表現ができないでしょうか。

部会長
 そういう意見もあったということですね。

井上委員 学校の安全対策として、耐震化の推進があります。学校という施設は地域の人々の避難所の意味もあります。先ほどの議論は子どもに対する学校の安全のみと捉えられます。ところが、48ページの将来計画4(1)で、「地域住民の災害時の避難所でもある」とありますので、記載場所がここでよいのでしょうか。学校施設を安全な避難場所としての意味も含まれますのでわかりにくいと思います。耐震のみでなく、風水害などもあれば学校に避難する、という意味も含まれると思います。

部会長
 阪神淡路大震災の時に学校が生活の拠点となりました。

原田委員
 茨木でも学校が緊急避難場所にもなっており、表示されています。

瀧端委員
 子どもを守るのはわかりますが、逆に監視の目を強めた際に我々が失う恐れのあるものについても考えておくべきではないでしょうか。異分子、異なるものを排除する、危険なものに対しみんなが監視しあう社会がよいのかどうかも考えてほしいと思います。修正する際に、「監視します。」というニュアンスがあまり出ないようにしてほしいと思います。

國井委員
 これから市町村レベルでは、学校に対する投資が大変な負担になる時代が来ると思います。国費の援助が削られていくことはスケジュールにのっています。茨木市としては腹をくくらないといけないと思います。不審者対策にしても他の対策にしてもお金がかかるわけです。茨木市としては、お金が必要なところには投資しなければなりません。ただ、他の行政サービスの実施は遅れ、あるいは今の水準は維持できないということをはっきりと言わなければならない時期が来ると思います。
 どこの山奥の村でもすばらしい建物は小学校でした。明治時代になって、どんな貧しい村でも小学校には投資したということが日本を成長させました。それと同じことで身銭を切って今後、小中学校に投資することになると思います。個別の施策で理想形を描く時、本当に腹をくくる必要があります。今までのようなトーンで学校対策として10年計画を立てるのは安直過ぎると思います。その点について腹のくくりがあるのかどうかを考えてほしいと思います。文章にならない話で申し訳ありません。

部会長
 学校についてはソフト面、ハード面でも議論が膨らみ、皆さんから提言もあり、いくらしても切りがないですが、最後に総括して意見をもらえる時間がありますので、続いて、5章「3 交流と自律のまちづくり」について進みたいと思います。何か質問等ございますか。

部会長
 51ページの将来計画の「3 国際交流サロンの整備」で「・国際交流サロン、JICA」とありますが、国際交流サロンは今ありますか。

津田部長 市役所南館の8階が国際交流サロンとなっています。

部会長
 中心になってやっているところはどこですか。

津田部長 所管は市民活動推進課です。

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