「国立大学病院の借入金解消を」
国立大学医学部長会議常置委員会(安田和則委員長)は6月12日、東京都内で記者会見を開き、財政制度等審議会(財政審、財務相の諮問機関)が6月初めにまとめた「2010年度予算編成の基本的考え方」(春の建議)について、医療や医学現場を無視した議論であり、今後の国策の策定に誤りが生じることを危惧するとして、要望書を作成したことを明らかにした。要望書では、「低医療費政策」を改めることや、国立大学病院の借入金の解消などを求めており、同委員会は同日、麻生太郎首相をはじめ与謝野馨財務相、財政審の西室泰三会長らに送付した。【関連記事】
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要望書では、(1)低医療費政策を改め、医療費を国際水準まで引き上げる(2)人口当たりの医師数を国際水準まで引き上げる(3)医師の適正配置に開業の地域規制などの規制的手法は導入すべきでない(4)医学部のある国立大学病院の借入金を解消する―の4点を示した。
このうち(2)について安田委員長は、国立大学医学部入学定員の計画的な増員や、定員増に見合った教育施設の整備や教育経費の措置、学生一人当たりの医学部教職員数の増員が必要だと述べた。
また(4)に関して、42の国立大学病院全体の借入金が1兆円を超えているとの現状を指摘。借入金は各病院で医療費から返済しており、国立大学法人の経営の大変な足かせになっていると強調した。
更新:2009/06/12 18:02 キャリアブレイン
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