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酸素濃度の検査記録は基準内 製錬所事故

[2009年06月14日 09:59]

事故現場を合同で実況見分をする捜査員ら=13日午後2時25分ごろ、大分市佐賀関

 大分市佐賀関の日鉱製錬佐賀関製錬所に停泊中の鉱石運搬船「シンガポールグレース」(5500トン、香港船籍)の船倉内で13日、荷揚げ作業中の作業員3人が死亡した事故で、県警と大分海上保安部、大分労働基準監督署は同日午後、実況見分を実施。当時、有毒ガスなどが発生する状況ではなく、犠牲者の中に血中酸素濃度が極端に低い人がいたことから、船倉内の酸素不足が事故原因との見方を強めている。大分労働局は「当時は無風で、船倉は開口部が狭かったため、船倉内の換気ができにくい状況だった。空気が循環しにくい、船倉内の隅を中心に酸素濃度が低い状況だった可能性がある」とみている。

 事故では日鉱製錬の子会社「日照港運」(本社・大分市)に勤める▽同市佐賀関、松金政広さん(63)▽同、森田憲治さん(52)▽同市志生木、幾嶋和仁さん(48)の3人が死亡した。
 同社によると、13日間船倉は閉鎖された状況で、銅精鉱が酸化して、船倉内の酸素濃度が低くなっていた可能性がある。
 労働安全衛生法の酸素欠乏症等防止規則では、空気中の酸素を吸収する物質を入れている船倉などで作業をする場合、作業前に酸素濃度を測定した上で、濃度を18%以上に保つよう義務付けている。
 同労働局によると、作業前の午前8時半、船倉の6カ所で測った酸素濃度はすべて20・9%だったとする記録が残り、測定者は主任者の幾嶋さんになっているという。
 通常、空気中の酸素濃度は約21%。厚生労働省は安全性の目安として、18%を安全限界とし、8%で意識を失って7~8分で死亡、6%以下では瞬時に呼吸が止まり、死亡する―としている。記録上の数値では、酸欠事故は起こらないが、午前9時ごろに現場に到着した消防署員が船倉の入り口付近で測った濃度は記録よりも低い19・3%。同労働局は今後、測定に不備がなかったかなどを調べる。
 事故では最初に倒れた松金さんを救出しようとして、幾嶋さん、森田さんも次々に倒れた。規則では、救出作業に労働者を従事させる際は、酸素マスクなどを使用させるよう義務付けており、装備の不備が惨事を拡大させた可能性が高い。

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