慢性的な医師不足にあえぐ県内の地域医療を改善しようと、県は近く医療体制を見直す検討委員会を発足させる。医師の数が限られるなかで、過疎地の現状を調査し、効率的で安定した医療提供を目指す。
検討委は、へき地への訪問や巡回などの移動診療の可能性などを探るとともに、医師会の開業医の連携や医師と看護師の役割分担など、地域に適した医療提供システムづくりを目指すという。県議会の6月補正予算案に検討事業費290万円を盛り込んだ。
県内の人口10万人当たりの医療施設従事医師数は188・9人(06年末)で、全国平均より17・4人少ない。また、秋田周辺医療圏が258・7人なのに対し、北秋田や湯沢・雄勝各医療圏は半分以下で、医師の地域偏在が大きな課題となっている。
県は地域医療の効率化に向け、同じ医療圏内の複数の医療機関が患者の基本情報や処方情報を共有する「秋田診療情報共有化システム」を導入する。【百武信幸】
毎日新聞 2009年6月14日 地方版