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Dr.酒井の現代腰痛事情

2009年04月08日【】
【格闘技編】厳しすぎます…プロレスラーの宿命


先日、プロレスラーの三沢光晴さんと会食する機会がありました。ご存じ2代目タイガーマスクで、現在はノアの代表取締役社長。いろいろなお話をさせてもらいましたが、本当に真面目な方でプロレスの将来を憂慮なさっていました。


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そのときに付き人の太田一平選手から「酒井先生、お願いします。社長の体を何とかしてください!」って懇願されました。

話をしながら簡単に診させてもらいましたが、満身創痍とはまさにこのことですね。ひじを極端に痛めているので、腕は真っ直ぐに伸ばせません。リングでの度重なる衝撃で半月板も擦り減っているのでしょう。両ひざもボロボロでした。そして投げ技による後遺症なのか、首も満足には動かせないようでした。

以前、同じプロレスラーの高木三四郎選手と一宮章一選手を診察させてもらったことがありました。身体のさまざまな部分を細かくチェックしていくのですが、2人ともほとんどの結果が陽性でア然とさせられたことがあります。こういう世界で身体を削っている人たちもいるんだ…そう勉強させられた思いがしました。

プロレスラーは総合格闘技やボクシングの選手とは違って、痛みや故障を抱えたままリングに上がり続けます。はっきり言えば身体が動く限り、休むことが許されない宿命なのです。これではケガが治るわけはありません。
若いプロレスラーたちはもちろんプロレスが好きで一生懸命練習に励んでいますが、彼らを取り巻く環境は厳しいと言わざるをえません。せめて満足のいく動きができる状態でリングに立てるような環境であってほしい。そう考えるのは私だけではないはずです。

三沢さんは5月6日に日本武道館で行われるノアの大きなイベントに向け、準備に忙しいようです。ノアやプロレス界全体のために、少しでも何かお役に立てればと思います。

酒井クリニックグループ

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