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債権装い、1400万円返還免れる SFCG系回収会社(1/2ページ)

2009年6月12日16時37分

 破産手続き中の商工ローン、SFCG(旧商工ファンド)から債権譲渡を受けた系列の債権回収会社(サービサー)が昨年9月、違法な高金利で借金を返し過ぎていた借り手側に対し、未返済の借金が残っているように装って、SFCGへの過払い金の請求権1400万円を放棄させていたことがわかった。過払い金の額を400万円と過少に計算した上で、装った未返済の借金400万円と相殺したことにし、借り手側への過払い金の返還義務を免れていた。

 過払いの借り手側に借金返済を求める行為は、債権管理回収業に関する特別措置法(サービサー法)違反の疑いがある。法務省は昨年12月以降、このサービサーに2回、異例の特別検査をしたが、把握していなかった。

 11日の参院財政金融委員会で、大門実紀史氏(共産)の質問に同省が答えた。

 このサービサーは「ジャスティス債権回収」(宮城県栗原市、J社)。今年2月までSFCGのグループ企業だったが、現在は同社の大島健伸元社長の親族の会社系列にある。監査役には、日野正晴・元金融庁長官が就いている。

 大門氏の資料などによると、J社は昨年9月、倒産した中小事業者への貸し出し債権をSFCGから約400万円で買い取った=として、この事業者の連帯保証人に400万円の返済を求めた。このときすでに事業者側は実質的に完済していたため請求には根拠がなく、逆に約1400万円の過払い状態だった。ところがJ社は過払い額を400万円と過少に計算。「400万円を返還するのと引き換えに借金400万円を相殺する」として、保証人にSFCGとの和解に応じさせた。

 和解書は「SFCGの支払い債務は消滅する」と明記。この和解で、同社グループは約1400万円の過払い金の返還義務を免れた。

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