1-8 システム論 その2
ってことで、今回は4-3-3的なシステムについて考えてみましょう。


・4-3-3


「バルサ式」なんて声もよく聞こえてくる4-3-3、スペインの強豪クラブバルセロナFCが昔から使用しています。まずは4-4-2フラットと比較してみましょう。


2つの画像をパッと比較してみて分かること。共通している点と異なっている点があります。

まず共通している点から。
・後ろ(DF)が4枚である。
・両サイドに2人ずつ選手がいる。


ということは、

>攻撃はサイドからの攻撃がメインとなります。両サイドに2人ずつ選手がいるため、
>数的不利になることはほとんどなく、サイドの突破も容易です。

という4-4-2フラットの特徴の1つはそのまま維持されることになります。

もちろん、違う点もありますよね。
・前にいるサイドのプレーヤーが、4-4-2フラットよりも高い位置にいる。
・MFに縦の関係がある。


1つ目の相違点から分かることは、4-4-2フラットよりも4-3-3の方が前がかりであるということです。
より前から相手のサイドの選手にプレッシャーをかけることになるのですね。つまり、4-3-3は4-4-2フラットよりもより「プレッシング」に向いているシステムだということになります。
そして、2つ目の相違点からわかることは、4-3-3の方がより「パス回し」に特化しているということです。前回、4-4-2フラットの「短所」といわれる部分で触れたのですが、パス回しの基本は「トライアングルを作ること」です。
4-3-3は中盤でしっかりとトライアングルが出来ていますよね。いちいち前線を引き出さなくても、中盤だけでしっかりパス回しの基本である形が出来ているのです。だから、バルセロナは華麗なパスサッカーを披露できているわけです。

もちろん、長所があるということは短所もあります。
まず1つ、これは長所と裏表なのですが、前からプレッシングに行く以外は戦術として使いにくい、ということです。なぜかというと、それも4-4-2フラットと比べてみれば分かるのですが、4-4-2の方はどの位置でもコンパクトな陣形が保てます。というのは、各ラインがある程度均等な距離を保っているので、ギュッと前後を押し縮めればそのままどこへ行ってもコンパクトな体系になるということです。
4-3-3は、選手が前に多くいることもあり、後ろの方でギュッと縮めるのは難しいシステムなのです。よって、「とりあえず1回引いて」というリトリート的な戦術は、使えない、というよりは端から眼中にない、と言っても良いでしょう。


次も4-3-3的なシステムについて考えていきます。

2009/02/15 00:46 | Comments(3) | TrackBack(0) | 1 基礎編

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コメント

喧嘩うってんのか
posted by コメンat 2009/03/19 15:51 [ コメントを修正する ]
ワンボランチの3トップなんてむしろ少数なんじゃないですかね
普通の3センターの3トップの図、例などを用いた方が論じやすいのでは?

あと、ゾーンディフェンスについて、中盤からの寄せとディフェンスライン移動について全く触れられていなかったことも気になります。

もっとくわしく書いていただけたらいいなと感じました
posted by 名無しさんat 2009/05/23 19:01 [ コメントを修正する ]
コメントありがとうございます
一応、2ボラの3トップ的なシステムに関しては、4-2-3-1として紹介しようと思っておりました。
「中盤からの寄せ」というのはプレッシングのことでしょうか、そちらも別の項でより考えていこうと思います。
ディフェンスライン移動、というのは「絞る動き」のことなのか、「リトリート」あるいは「前からのプレス」
によるディフェンスラインそのものの前後の動きについてなのか、わかりかねますが、機会があれば
より詳しく考えていくことができればよいなと思います。
posted by 駒猫at 2009/06/10 02:30 [ コメントを修正する ]

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