以前ここで
殺人罪でも起訴を求める署名が立ち上がることについては*感情的には理解ができる。
そういった署名が立ち上がることは虐待に関する社会的な関心の高さを訴えることができる。
協力できる部分は協力したい。
というお話をしたことがあります。
今でもその気持ちはありますが、今回新たに立ち上がった「聖香さん殺害犯を殺人罪で起訴する署名」に関しては全く協力する気は起こりません。
納得が行かないのは企画人や署名者が『ニックネームで』署名活動を行っていることです。
今回の署名は人気番組の再放送を求めるような軽いものではありません。
聖香ちゃんの死をきっかけに始まり、その犯人を死刑になる可能性がある「殺人罪」で立件するための署名のはずです。
真摯に取り組むべきものであるはずです。
署名の企画人の名前すらわからない、署名者もニックネームというような署名を検察が重く受け止めるでしょうか。
それに犯人を死刑にすることで本当に虐待はなくなるのでしょうか?
むしろ悪い犯人が死んだという一点で納得し、虐待に関する関心が薄れてしまうのではないでしょうか。
何度も繰り返すようですが、聖香ちゃんの死を無駄にしない一番の方法は『同じ目にあう子供をこれ以上出さないこと』だと私は考えています。
そのために最も必要なのは虐待を抑止する為の法・社会の整備なのです。
どうぞ今後ともご協力をお願いいたします。
*感情的には:感情的には非常に理解できますが、賛同は出来ません。
・報道によると殺人罪で起訴できるだけの『証拠がなかった』為、犯人は『保護者責任遺棄致死』で起訴されています。
証拠が揃っていて殺人罪で起訴されたのなら、私も殺人罪で当然だと思います。
ですが署名という多数決の力で『証拠がないもの』を起訴に持っていくのは、あってはならないことだと思います。
犯人に対する怒りは本当によくわかります。
でも、署名は殺人罪で起訴するための証拠の代わりにはならないのです。
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