SUNTORY SATURDAY WAITING BAR
2005年6月11日の放送

この日の放送曲目リスト/過去の放送内容リスト

「できちゃった結婚を考える」

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 今日の当店は「結婚」にまつわるお話があちらこちらで盛り上がっています。実はこれ、常連のお客さまがいつまで経っても煮え切らない取手さんと南さんに業を煮やして、二人の雰囲気を盛り上げるためにどの席でもそういう話題を振っているのだそうです。
 とはいえ、実は私も興味津々で、ついついお客さまのお話に聴き入ってしまいました。なるほど……最近は「できちゃった結婚」がそんなに多いんですか。すごく勉強になったので、今日はそんなお話をここでご紹介させていただきます。


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土屋アンナさん(女優)の

『私のできちゃった結婚』の話

 結婚して1年。あの時は正直、私自身が一番ビックリした。
 実は若い内に子供が欲しいとは考えていた。若いママって格好良いし、歳をとってからも遊べるし。若くしてやることは大抵やりつくしたと思うし。
 というのも、長くモデル業界にいると、いろいろと誘惑は多いから。最初は1〜3歳の頃。中学生の時にはちゃんとモデルとして働いていた。
 私の場合、仕事が遊びのようなモノだし、子供がいてもできる仕事でもあるので、そういった意味では子供が産まれてからもそれなりに遊んでいる。友達に誘われたら「ジョシュアくん、よろしく〜」なんて。
 ジョシュアは子供の世話をよくしてくれるというか、まるで私が父親でジョシュアが母親みたい。外にいるとき「子供がいるから帰らなきゃ」と思っても、どうせ8時に寝かせてしまうので、誘惑に負けて遊びにいってしまう。
 私は「できちゃった結婚」だったけど、逆に子供もいないのに結婚を決意する人の方がスゴイ。子供ができれば「親として離れるわけにはいかない」という覚悟もできるけど、子供もなしで結婚したら私ならすぐに別れちゃいそう。
 そういう性格だから私は結婚できないだろうと思っていた。ワガママだし自己中だし、ついてきてくれる人がいるとは思わなかった。
 それでも「新しい家族が欲しい」という夢は持っていた。「幸せな家族」に憧れていて、子供の頃に「なんで母ちゃん家に居ないの?!」って言われても、大きくなった時に「ああ、格好良い母ちゃんだったな」と思われたい。
 もし子供に「ロックばかり聴いてウルサイです、僕はお勉強が好きなんです」なんて言われたらどうしよう。そう育てないよう頑張るつもり。

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高清水美音子さん(ライター)の

『できちゃった結婚の実情』の話

 『祝!できちゃった結婚』という本を書くにあたって、50人以上のできちゃった結婚をした人に会った。アンケートだけの人も含めれば200人以上のデータを採った。
 それ以前に、保育園に入ると半分くらいのお母さんができちゃった結婚だったりする。できちゃった再婚の人もいた。それがきっかけになって本を書いた。
 半分というのは多い方かもしれないけど、公的なデータでも4組に1組ができちゃった結婚ということになっている。さらにブライダル関係者に聞くと3割以上、もしかしたら4割ぐらいじゃないか……とのこと。
 年齢的には22〜24歳くらいの、生物として出産に適した年齢が多いくて、全できちゃった結婚の中で3〜4割を占めている。さらにもうちょっと上の25〜27歳も多くて、20代が半数以上を占める。その次が30代で、実は10代は10%もいないくらい。
 ある先生によると、42〜43歳くらいを境に、それより上が「百恵世代」で、それより下が「聖子世代」なんだとか。自分の好きなことをやっていく、周りも「自分が好きでやるならいいじゃん」というノリが聖子世代で、普通に結婚して子供を産んで……というのが当たり前と思っているのが百恵世代。
 だから今の30歳以下はできちゃった結婚を恥ずかしいと思う感覚がわからない。そんな風に今はできちゃった結婚のハードルがすごく低くなっている。
 あるできちゃった結婚をした人は「決断を下すまで人生で一番濃い2週間を過ごした」と言っていた。2人とも大学を出て就職したばかりの5月のことだったそうで、2人とも冷静に真剣に2週間話し合ったのだとか。
 特に彼の方が「とても自信がない」ということだったので、「じゃあ諦めましょう」という話に一度なった。でも奥さんが病院を予約して、いざ病院の前まで行ったら「やっぱり嫌だ」と思った。そこで「彼が嫌なら、自分で実家に戻って1人で育てよう」と覚悟を固めた。
 彼にそう言ったら「どこかでオレの遺伝子を受け継いだ子供が育っていくのを知らずにいるのは耐えられない」ということで、また振り出しに。2人でどうしよう……と悩んでいた。
 そこにたまたま実家のお母さんから電話が来た。めったに電話なんかかけてこないお母さんなのに「どうしたの?彼と喧嘩でもしたの?」「うん、ちょっとね……」「子供でも出来たの?」と一発で当てられたらしい。
 「今は相談中だからまた後で」と電話を切ったけど、5分後にまたお母さんから電話が掛かってきた。「さっき話を聞いてからウキウキしちゃってしょうがないのよ!私が育ててあげるから産んじゃいなさい!」って。
 それで彼も腹をくくったというか肩の荷が下りたというか、「じゃあ結婚しよう」ということに。彼女の実家に挨拶に行ったら、お父さんにぶん殴られるかと思いきや「いいから!いいから!コール・ミー・グランパ〜!」って陽気に迎えられた。
 今、そのご夫婦は2人目も生まれて幸せに暮らしている。

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有賀明美さん(テイク・アンド・ギブニーズ)の

『できちゃった結婚の結婚式』の話

 今はもうできちゃった結婚に驚いたりしない時代。割合にすると4割弱。かなり多い。
 ちょっと前までは友達にも言わないでこっそり式を挙げたり、なんてこともあったけど、今はこれだけ多くなったので、会場側も体制を作って結婚式を挙げることに積極的になってもらおうとしている。たとえばウチなら「ハローエンジェルプラン」と言って、できちゃった結婚向け専用のプランを用意している。
 一番多いのが4ヶ月くらいで電話が掛かってくるケース。「お腹が大きくなる前、だいたい6ヶ月くらいまでに結婚式を挙げたいんですが、2ヶ月くらいで出来るんですか?」という問い合わせが多い。そういう要望に応えるために2ヶ月で出来るプランを用意している。化粧品は匂いのきつくないモノを用意したり、妊婦用のエステ・プランを用意したり。
 一番気にするのはドレス。諦めている人も多いけど、最近は「いかに体型をカバーするか」という機能が上がっていて、デザインは普通のドレスと変わらないのにお腹周りだけヒモで調節できるようになっていたり、胸元のすぐ下からスカートになっていたり、見た目は妊婦とわからないようなウェディング・ドレスがたくさんある。そういうドレスがあることを知ると、みなさん式を挙げることに積極的になる。
 マタニティ・プランならではの演出もある。産まれてくる子供の顔を、新郎新婦の顔からCGを使って予想したり。しかもちょっと前までは宇宙人みたいな気持ち悪い顔になちゃっていたけど、今の最新の技術を使うとちゃんとした写真を作れる。
 この技術は本当にすごくて、大人の新郎新婦の顔をCGで子供に戻してからミックスさせる。そうやってできた「産まれてくる子供」の写真は、この子がこの世にまだ居ないのが不思議、というくらい。その写真を式場で映し出すと、会場中が必ずどよめく。
 特に喜んでくれるのがおじいちゃんやおばあちゃん。今、お腹の中にいる子供が産まれて10年後20年後が見られるとは限らないから、その姿をCGで再現すると涙を流して喜んでくれる。
 「未来の扉をノックしましょう」と言ってその映像を流すと、自然に会場から「男の子が良いなぁ」「お前に似るとキツイなぁ」なんて声が挙がるのもおもしろい。

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石川敏男さん(芸能レポーター)の

『芸能界のできちゃった結婚』の話

 アイドルだった安室奈美恵さんがサムさんとできちゃった結婚をした頃から、どんどん芸能界でもできちゃった結婚が増えていった。やっぱり売れている人だと事務所がなかなか結婚を認めようとしないから、ある意味、強行突破と言えなくもない。
 木村拓哉さんと工藤静香さんもできちゃった結婚だった。アレも一種の強行突破。最近なら中村獅童さんと竹内結子さんもそうだったし、佐々木主浩さんと榎本加奈子さんの場合はさらに略奪愛だった。
 それぞれみんな形は違うけど、「妊娠をしてしまうことでその先に進める」という思惑が見える。ほとんどのケースが確信犯だと思う。
 こんなことを言うと獅童さんに怒られてしまうかもしれないけど、お母さんは「まだあと1〜2年は……」と思っていたはず。本人としては、もともと憧れていた人との共演をきっかけに突っ走っただけなんだろうけど、もしおめでたということがなければもっと先の話だったかもしれない。
 とにかく安室奈美恵さん以降は本当にできちゃった結婚が多い。石橋貴明さんと鈴木保奈美さん、小室哲哉さんと吉田麻美さん、和泉元彌さんもそう。和泉元彌さんの場合、本来、お母さんの意に添う女性じゃなかったはず。できちゃった結婚は事務所やご両親の別の思惑を越えて突き進む、純粋な愛とも言える。
 安室奈美恵さんのできちゃった結婚をきっかけに、世の中全体的にできちゃった結婚がまかり通っているような気がする。普通の家庭でも「若いのに……」なんてことで結婚に反対されるケースがあるけど、やっぱりおめでたということになれば、息子や娘の意見を両親が聞かなくてはいけない、ということになる。
 家が大きくなり、生活が豊かになって、それぞれの部屋が与えられて、それぞれがテレビを見て、それぞれの考え方が違うまま育って、一家団欒が無くなれば無くなるほど、こういう風に自分中心になっていく。昔は家と家が結びつくのが結婚だったけど、今は本人同士だけの問題になっている。
 最近はできちゃった結婚があまりに多いので、婚約の記者会見では「子供はできてるの?」という質問をするのがお約束になっている。これも安室奈美恵さん以降の傾向。
 昔は2人の中を強引に切り離すこともあったのかもしれない。でも今はそういうことが少なくなっている。それでできちゃった結婚が増えている。

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石黒彩さん(タレント)の

『できちゃった結婚のその後』の話

 「できちゃった結婚ですよね?」と聞かれて、一生懸命「違います、結婚しようと思っていて、できちゃって、結婚したんです」と答えていたけど、つまりはそれができちゃった結婚。我ながら「違う」と答えていて「あれ?」とは思っていた。
 できちゃった結婚だったことに特に負い目や引け目はない。むしろ良いきっかけだった。もし子供ができなかったら、ずるずる結婚をしないままだったかもしれない。よく「結婚は勢い」と言うけど、2人一緒にいられればそれで良い、みたいな感覚もあったから。
 でも子供ができて、真矢クンが「子供のためにもちゃんとしよう」と、ウチの親に挨拶に行くことに。「彩さんを下さい」と言った真矢くんに「わかった、よろしく頼む」と言おうとしたら、「そして彩さんのお腹の中には子供がいます」と言われてズルッときたらしい。親に挨拶に行く時は「娘をよろしく頼む」だけは言わせた方が良いらしい。ただし「よろしく頼む」の後に「実は子供が……」と言ったらぶん殴られるかもしれないけど。
 私は結婚してもう5年目。でもお互いに知らないことはいっぱいあって、何を考えているのかよくわからないから、よく喧嘩になる。しかもその喧嘩は、結論が出るまで時にはオールナイト。
 最近なら、今年の5月に結婚式を挙げた。子供が産まれて落ち着いたら式を……と思っていたら、そろそろ落ち着くかと思うたびに子供ができたので、5年も掛かってしまった。
 その結婚式を出雲大社でやることにしたんだけど、真矢くんは飛行機が嫌い。でも電車で行くと7時間半かかる。それだけの時間、子供の相手を楽しくできる自信がなかったので、私は飛行機で行きたかった。
 そこで私が提案したのは「バラバラで行こう」ということ。「そこで出会ったみたいな感じで式を挙げるのも楽しくない?」とプラス思考に言ってみたんだけど、真矢くんは一緒にモノを食べたり一緒に過ごしたりするのが好きな人なので「それは家族として違うだろう!」と怒ってしまった。
 できちゃった結婚をして思ったのは、いきなり2人の時間がなくなってしまって寂しいという反面、歳をとって2人の時間ができた時に、改めてお互いの趣味を歩み寄って一緒にやったりすると楽しいのかもしれない。
 子供ができて初めて「愛している」という言葉の意味がわかった。空気のように気を遣わなくていい存在なんだけど、なくなったら急に苦しくなる。そういう存在を「愛している」のだと思う。

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放送曲目リスト

Time Title Artist Label Number
8'41" Together Steve Lawrence & Eydie Gorme Music Club MCCD 168
19'19" Oha, Oha Astrud Gilberto Verve 314 519 801-2
26'03" Love And Marriage Dinah Shore RCA 07863 66023-2
34'42" The Lady's In Love With Me Annie Ross Pacific Jazz TOCJ-5349
44'45" The Gloly Of Love Peggy Lee Capitol 7243 8 5454 3 2 5


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