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療養病棟「来年度は大規模改革必要なし」―中医協分科会で意見

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 厚生労働省は6月11日、中央社会保険医療協議会(中医協)の「慢性期入院医療の包括評価調査分科会」(分科会長=池上直己・慶大医学部教授)に、同省が昨年度に実施した「慢性期入院医療の包括評価に関する調査」の集計結果を報告した。療養病棟入院基本料の算定病床で受け入れる患者の状態像は、2006年度の調査時から大きな変化は見られず、猪口雄二委員(医療法人財団寿康会病院理事長)は、医療療養病棟の受け入れ患者の状態像がある程度、確立しているとの見方を示し、来年度の診療報酬改定でこの点に手を加えることに慎重な姿勢を見せた。

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 一方で猪口委員は、12年度の診療報酬と介護報酬の同時改定に向け、「大きな医療提供体制については、まだまだ議論が必要」とも強調した。
 慢性期医療の状況をめぐっては、健康保険組合連合会(健保連)と日本慢性期医療協会も調査を実施しており、これらの結果も踏まえて来年度報酬改定に対する分科会としての考えをまとめ、中医協・診療報酬基本問題小委員会に8月上旬をめどに報告する。

 調査結果によると、医療療養病棟に入院した時点の患者の状態像は、医療必要度が最も高い「医療区分3」の割合が、昨年2月と今年2月で共に25.4%だった。また、医療必要度が次いで高い「医療区分2」は昨年41.1%、今年42.5%。最も低い「医療区分1」では、それぞれ33.5%と32.0%だった。
 医療療養病棟からの退院先は、「自宅」が26.0%で最も多く、次いで「死亡退院」が22.3%、「他の医療機関の一般病床」が13.2%だった。一般病床を併設している病院だけを見た場合は、自宅27.8%、死亡退院20.4%、自院の一般病床12.0%、ほかの医療機関の一般病床が8.6%だった。

 猪口委員は調査結果について、医療療養病棟の受け入れ患者の状態像が大きく変化していないことを受けて、「医療療養の状態は確立したと考えれば、早急にいじるべきではない」と述べ、来年度の診療報酬改定では大規模な制度改革は必要ないとの考えを示した。

 「慢性期入院医療の包括評価に関する調査」では、医療療養病床のある病院700施設、診療所650施設を無作為抽出した「施設特性調査」と、これら施設の入院患者の年齢や入院期間、医療区分を把握する「患者特性調査」のほか、▽人件費や減価償却費、医薬品費などに関する「コスト調査」▽今年1月現在の療養病棟入院基本料の算定状況に関する「レセプト調査」―などを実施。
 11日には、これらのうち施設特性調査と患者特性調査の集計結果を示した。月内にも開催する次の分科会で、全調査の集計結果が出そろう。


更新:2009/06/11 23:16   キャリアブレイン

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