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「春の建議」に異議―医学部長会議が提言

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 全国医学部長病院長会議(会長=小川彰・岩手医科大学長)は6月11日、東京都内で記者会見を開き、3日に財政制度等審議会(財政審、財務相の諮問機関)がまとめた「2010年度予算編成の基本的考え方」(春の建議)に関する提言を公表した。提言では、「低医療費、低教育費」を他の先進国並みのレベルに引き上げることや、医学や医療の政策に規制的な手法を用いないことを求めている。同会議では近く、麻生太郎首相や与謝野馨財務相らに提出する方針。

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「財政審建議は現場を無視」―全医連

 提言では、▽地域や診療科間の医師偏在を是正する方法として、「定員制などに関しての『規制的手法』の導入」が盛り込まれたこと▽「基本方針2006」で示された社会保障費の自然増2200億円の抑制を堅持する方針を示したこと▽政策の失敗が明らかになった際の責任の所在を明確にする必要があること―の3点から建議を問題視。「安心社会の実現」を目指そうとする政府の方向性は正しいとした上で、これを実現するため、医療費などの引き上げや「医学医療政策に規制的手法を導入しないこと」を国に要望している。

■「この国が恐ろしいことを国民が知らな過ぎる」―嘉山委員長

 財政審の建議を受け、9日の政府の経済財政諮問会議で「基本方針2009」の素案がまとまったことから、小川会長は「国を誤った方向に導かないためにも、声を出す必要がある」と、提言をまとめた経緯を説明。また、専門委員会の嘉山孝正委員長(山形大医学部長)は、財政審の委員には医療関係者が皆無に等しいことから、「この国が恐ろしいことを国民が知らな過ぎる」と強調し、「(医療の)素人が全く検証もしないで、風聞などで国家政策を決めている財政審が骨太(の方針)をつくっていることに、悲しみを感じるし、驚きを禁じ得ない」と怒りをあらわにした。
 嘉山委員長はまた、財政審財政制度分科会の部会の議論の中で、「すべての大学が満遍なく診療科目を持つのではなく、例えば産婦人科を中心に育てる大学などがあってもよい」などの意見があることを指摘し、「こういう思い付きの、現場が全く分からない人が意見を言って、それがまとまって予算が付く。これは恐ろしいことだ」と語気を強めた。


更新:2009/06/11 20:15   キャリアブレイン

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