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発音の基本と

アーティキュレーション

< 母音の長音練習 基本 >
< 母音の無声化 > < 濁音・鼻濁音 > < 連母音・長母音 >
< アーティキュレーション練習例題100選 >
<50音順練習例題>


はじめに


発音練習は、あくまで発音・発声を明瞭にするための練習です。

けっして「早口ことば」ではありません。

はじめは、一音一音ゆっくりと正確に
そして次に、自然な強さ・高さ・速さで、のびやかに発音しましょう。



ポイント


正確であること

  • 話の目的、内容を正しく理解し、正確に表現しましょう。
    そして、その話の内容を生かすにふさわしい話し方でなければなりません。

ききやすいこと

  • 発声、発音、アクセントをはじめ、抑揚、緩急、断続などの表現技術を十分に活用しましょう。

聞き手のことを考えること

  • 聞き手の態度、能力、年齢を考えて
    話し手は自己中心的な立場ではなく、聞き手側に分かりやすく話す配慮が必要です。



母音の長音練習 基本

滑舌の悪い人は、あまり口を開けずに「イ」の口の形でしゃべっている場合が多く見受けられます。
正しい口の開き方をしっかりマスターしましょう。

  • 「ア」の標準音
    あご・・・・・下へ十分開く。(縦に指が2本はいる程度に)
    舌・・・・・・力を抜いて自然に平らにおく。
  • 「イ」の標準音
    あご・・・・・ほとんど開かない。
    舌・・・・・・舌先を上あごへ出来るだけ近づける。
  • 「ウ」の標準音
    あご・・・・・ほとんど開かない。
    舌・・・・・・奥を盛り上げる。
    くちびる・・・すぼめてややまる口にする。
  • 「エ」の標準音
    あご・・・・・「ア」と「イ」の間くらいに開く。(小指の先がはいる程度に)
  • 「オ」の標準音
    あご・・・・・「エ」と同じくらいに開く。
    くちびる・・・しぼって丸める。
    舌・・・・・・奥を盛り上げる。



母音の無声化

  • 日本語の母音は、「アイウエオ」の五つです。

    単音には、無声音と有声音があり、母音は原則として有声音です。

    つまり、カ (Ka) は、子音 「K」 と母音 「a」の結合した音です。
    この 「K」 は無声子音ですが、子音には有声音もあります。
  • 無声音とは、声帯が振動せずに出るわずかな息だけの音です。
    有声音とは、声帯が振動して声が作られる音です。
  • 有声音と無声音のちがいは、喉のあたりに手を軽くあててみると判ります。

    有声音⇒「アー」と声を出すと声帯の振動が手に伝わってきます。
    無声音⇒ガラスに息を吹きかけるように「ハァー」と息を出すと声帯は震えません。
  • 母音の無声化は原則的には、口の開きの狭い母音イ(i)とウ(u)が無声子音にはさまれたとき、無声子音に続く i や u が言葉の終わりにある場合におこります。

    kiku(菊) kita(北) shika(鹿) sukoshi(少し) chikara(力) hito(人) fukai(深い) pikari(ピカリ) arimasu(あります) kaesu(返す) kashi(菓子) ashi(葦)

    ※例外的に、口の開きの大きい母音ア(a)とオ(o)の無声化現象もあります。

    katai(固い) katana(刀) koko(此処) kokoro(心)


《 母音の無声化例題 》

「ピカピカ光る服を着た人が、つかれきった視線をおとして薬を口に含むと、力なく腰掛けて描きかけの菊を捨てています」

カル ク ヲ ト ガ、 カレッタ セン ヲ オトスリ ヲ チ ニ クムト、 カラ ナク コカケテ カカケノ ク ヲ テテイマ

※のどに軽く手をあてながら読んでみましょう。
無声化する音には、アンダーラインがついています。






濁音・鼻濁音


標準発音では大体、語頭に破裂音ガ行(濁音)を、語中および語尾には鼻濁音を用います。

鼻濁音の練習としては、はじめはガの前に「ん」の音をつけて
ンガ、ンギ、ング、ンゲ、ンゴ、ンギャ、ンギュ、ンギョ、と発音し、次第にその間をつめて、最後に一緒にして発音すると良いでしょう。

  • 第二拍以後のガ行音は、原則として鼻濁音化されます。

    語頭のガ行音は、すべてそのまま濁音で発音されます。

    濁音 鼻濁音
    学校 ッコー

    銀行 ンコー

    群集 ンシュー

    芸術 イジュツ

    豪傑 ーケツ

    逆行 ャッコー

    牛乳 ューニュー

    行列 ョーレツ
    大学 ダイ

    日銀 ニチ

    大群 タイ

    工芸 コー

    文豪 ブン

    反逆 ハンャク

    乳牛 ニューュー

    奉行 ブョー


  • 助詞の「ガ」は、鼻濁音化されます。

    (例) 花咲く。 行った留守だった。 君はそれでいい。、ぼくはちう。


  • 複合語は、どの程度熟しているかによってちがってきます。

    濁音 鼻濁音
    高等

    音楽




  • 連濁によって生じたガ行音は、すべて鼻濁音化されます。

    氷⇒天然

    貝⇒真珠

    雲⇒飛行機

    車⇒口 大八

    会社⇒大社 株式


第二拍以後でも、鼻濁音化されないガ行音


  • 数詞の「五」は、語頭・語中・語尾のどこにあっても原則として鼻濁音化されません。

    (例) 月 十日 

    ただ、つぎにあげるような熟語や人名の場合は、数としての本来の意義が薄れているため、ふつう鼻濁音化されて発音されます。

    夜 七三 七調 為郎 大



  • 軽い接続語のつぎのガ行音は、たいていの場合、鼻濁音化されません。

    (例) お気 お儀 朝はん 



  • 擬音語、擬態語などや、漢語の重ね言葉の場合は、鼻濁音化されません。

    (例) タ リ ズ ラ ソ 侃々諤々(カンカンク) 喧々囂々(ケンケンー)






連母音・長母音


ひとつの語や、語のつながりの中で、母音が二つ以上続く場合を“連母音”といいます。

連母音で、発音に注意する点は次のとおりです。


【1】 エイの連続は、普通はエーと長音になります。

(例) 映画 エーガ 時計 トケー 未来永劫 ミライエーゴー 衛星 エーセー


【2】 エとイの間に意味の切れ目があるときは長音にしません。

(例) ため息 ○タメイキ ×タメーキ  負け戦 ○マケイクサ ×マケークサ


【3】 同じ母音が連続するときは長音になります。

ア+ア お母さん オカーサン
イ+イ お兄さん オニーサン
ウ+ウ 空港 クーコー
エ+エ お姉さん オネーサン
オ+オ 灯火 トーカ


【4】 意味の区切りをはっきりさせるときは長音にしません。

ア+ア 場合 ○バアイ ×バーイ
イ+イ 黄色 ○キイロ ×キーロ
ウ+ウ 安請け合い ○ヤスウケアイ ×ヤスーケアイ
エ+エ 影絵 ○カゲエ ×カゲー
オ+オ 里親 ○サトオヤ ×サトーヤ


《 長音例題 》

めいめい慶応明治法政で経営経済学を専攻した経営層。
メーメーケーオーメージホーセーデケーエーケーザイガクヲセンコーシタケーエーソー。

妹の芸名は先生に命名してもらった。
イモートノゲーメーハセンセーニメーメーシテモラッタ。

生産者の申請書を審査した。
セーサンシャノシンセーショヲシンサシタ。





アーティキュレーション練習例題100選

1語1語ゆっくり母音を発音することを意識して練習しましょう。

  1. おあやや、母親におあやまりなさい。
  2. 橋の下で河童子が河童子もた。もた子も河童子、その子も河童子、親河童子子河童子、子河童子親河童子。
  3. 向こうの菜畑に羽鴨が百羽に子鴨が百羽、羽鴨が米噛む、子鴨親鴨子鴨が粉米噛む。
  4. 家の娘一人お家奉公いたさせたくもいたさせたし、また家において生竹の青竹茶筅でお茶立てさせたさも立てさせたし。
  5. この竹垣に竹たてかけたのは、竹たてかけたかったから竹たてかけたのです。
  6. マッカーソーさんはコロラドの出だぞ。
  7. 新春早々新進シャンソン歌手による新春新進シャンソン歌手ショー。
  8. 上方僧、書写山社僧の総名代、今日の奏者は書写じゃぞ書写じゃぞ。
  9. 特許を許可する農商務省特許局、日本銀行国庫局、東京特許許可局。
  10. 手術室で主治医が手術した。
  11. 親亀の背中に子亀を乗せて、子亀の背中に孫亀乗せて、孫亀の背中にひ孫亀乗せて、親亀こけたら子亀孫亀ひ孫亀みなこけた。
  12. 熊が食う栗 熊の来る国。
  13. もずが鳴きますトッキョキョカキョク、子もずも鳴きますチョッチョチョチャチョク、親もず子もずがトッキョチョチャキョク。
  14. 第五交響曲に観客驚愕。
  15. ヤシの実を獅子が喰い、菱の実をヒヒが喰う。
  16. 縁の下の地蔵さん、足さし出したがらっしゃるゆえ、足さし出すなと言うに、足さし出したがらっしゃる。
  17. 作者の脚色、役者の約束。
  18. 戦車の射手に機銃掃射で射殺されるなど、勝者も戦傷死者を出し資産を死守したが、ついに収拾し終止符。
  19. 茶煙草のんで煙草茶のむ、茶煙草煙草茶、茶煙草のむ。
  20. 河原なでしこ野で咲く野菊、それでその根を引き抜く、抜くには引き抜きにくい抜きにくい。
  21. 万事不如意で外面如菩薩内心如夜叉とはいかず、入梅のような女房の顔。
  22. 羊皮紙の表紙を日向の秘薬で百パーセント漂白しひょう変した風評がある批評集。
  23. この杭の釘は引き抜きにくい釘、引きにくい釘、抜きにくい釘、くぎぬきで抜く。
  24. 樫の丸薪割る薪割り。
  25. うちのつるべはつぶれたつるべ、隣りのつるべはつぶれぬつるべ、つぶれぬつるべとつぶれたつるべ。
  26. 西空から薄雲が広がって、空っ風の寒さが身体中に感じられたのでラグオンのオーバーの襟をたてラッシュアワーのだらだら坂を下りた。
  27. 利口な彼が利に走り、理不尽な振る舞いも限りがなく、利が利を生んだ理非が分からず。
  28. 濡れワラに馬ワラ。
  29. 私はあなたにあわれまれたくないのです。
  30. 電報の電文に専門語が断片的にならんだので難問型の文面となり、ちんぷんかんぷん。
  31. 鴨、米噛みゃ、子鴨が粉米噛む、子鴨米噛み、鴨粉米噛む。
  32. 三時に自治をあずかる知事が静々と入場し難しい切実な人事訴訟事件で指示。
  33. 集団就職出身の消火器商が輸出商社の社主に昇進したが首相召集の祝勝会で射殺された出色私小説。
  34. 同大のダンディーな大投手がデッドボールも気にせず投打に大活躍、堂々単独でどんでんがえし。
  35. 行政監察特別委員から行政監察のため差し遣わされた査察使が警察署を査察した行政監察査察室史。
  36. ぴん子ちゃんとぽん子ちゃと風呂行って、ぴん子ちゃんがぽん子ちゃんの腹けって、ぽん子ちゃんがぴん子ちゃんの腹けった、ひじ鉄砲でポンポンはねつける。
  37. あのバックシャンは仏文出で羽振りがよく煙草を吸いビールをのみ、バーベキューとハンバーグを食べ、ビビデバビデブーを歌う。
  38. コンピューターが八百八町に突拍子もない発表をし信憑性を疑われた。
  39. 生麦 生米 生玉子 生貝 生だこ なまりぶし。
  40. 潮のひいた昼下がり広い干潟で潮干狩り。
  41. 百人が百人、北斗七星をヒシャクの形とみるでしょう。
  42. 赤巻紙、青巻紙、黄巻紙、長巻紙。
  43. おあやは、いやいや八百屋の親を負い、八百屋は、いやいやおあやの親を負う。
  44. 八丁味噌は卒中に、抹茶は脱腸に効くからすぐ必着するよう発注せよと坊ちゃんに言われたが率直なところ困っちゃってるよ。
  45. 貨客船の旅客は、貨物と一緒で旅客運賃が安い。
  46. 海軍機関学校、機械科 今学期学課課目 各教官協議の結果下記の如く確定 化学、幾何学、機械学、国語、語学、絵画、国家学、撃剣。
  47. 上の溝に、どろ泥鰌にょろりん 中の溝にどろ泥鰌にょろりん 下の溝にどろ泥鰌にょろりん 三溝三どろ泥鰌三にょろりん。
  48. 医者と石屋を言い違えないようお言い。
  49. よぼよぼの予防法にヨーヨーを要望。
  50. 楼門の老僧、路傍を六方。
  51. 夕月に ゆうゆう ゆるゆるのゆるふんで夕涼み。
  52. ぬるぬるのぬる湯でぬくぬく。
  53. 色紙に式辞、敷地に地道、しじみ汁に七味。
  54. バナナ屋は はなはだばかばかしい、バタ屋は はなからはかなさがある 働かすなら博多の花形百貨店だ。
  55. 義歯義眼義手義足おまけに擬似コレラの義兄を義理で扶養する義務がある。
  56. 巣鴨駒込 駒込巣鴨 親鴨子鴨 大鴨小鴨。
  57. 東京特許許可局の局員の許可証。
  58. お皿のおよもぎ餅およばれたい。
  59. 世の中は夢と思うも夢なれや夢を迷いというも夢なり。
  60. おあやや宵のうちにお湯屋へおいで。いいお湯だよ。よい湯屋だね。あのお湯屋は。
  61. ラジオが旅客列車脱線を伝える。
  62. 僧侶の思慮を伴侶は憂慮苦慮配慮。
  63. 官僚出の優良閣僚の本領は要領と横領。
  64. 瓦、俵、私の瓦、我々の俵。
  65. まわるまわる目がまわる。まわるまわる輪がまわる。見ている私の目もまわる。
  66. 全店を挙げて宣伝したのに、産地の天然物の売れゆきが前年より進展なしとは残念。
  67. ペンギンに敏感すぎる番犬は軟禁して林間を探検。
  68. 北海道の実家のすすめでこの学校に越境入学したと、うっかり日記に書き、目下学級では厄介者あつかい。
  69. 北氷洋のスッポンのしっぽをコップに入れ密封したものを一本、かっぱらいに失敗して引っ張られるより月賦で買おう。
  70. きのうの君は聞きしに勝るきれいな君。
  71. さあ、お立会い、江戸一番の居合い抜きの試合の腕前を。
  72. 兄上の里親は、砂糖屋や八百屋より愛育委員がいいんです。
  73. 牛や馬のように、うろうろうかうかしていると、うんうん言わされる。
  74. 今も胃が痛いのが、いまひとついまいましい。
  75. 川上からの川風で、からだが かさかさになった きゃしゃなカッパ。
  76. 家の前の細溝に、鰻のろり 泥鰌にょろり、鰻のろり 泥鰌にょろり。
  77. りりしい力士理事がリーチリーチに力む。
  78. 地磁気に血道の知識人の父君にちりちり。
  79. びしびし ひっきりなしに引き締めたら非力のヒッピーも必死。
  80. ルールブックに載っているルーススクラムのルール。
  81. せっせと整形した青年めを世間は責めねえ。
  82. レセプションの礼節レベルは零点。
  83. 放送の冒頭、母校の暴動を、ほぼ報道。
  84. もろもろの物も、もともとモロッコの模造の物。
  85. 芝の増上寺の上棟式には大僧小僧に大僧正俗人も加わり上々だった。
  86. ピカソが金ぴかの鉄筆で描いたピカピカのピクニックの絵がぴかっと光った。
  87. 外国から夏期休暇で帰国した企画局員に関し、刑事は聞き込みを開始。
  88. 危険区域通過か 貨客船の旅客と旅客機の乗客が訓練決行。
  89. 家の桐戸の桐の切り口は隣の桐戸の桐の切り口によくにた桐の切り口だ。
  90. 交響曲や狂詩曲は高級だが客観的に見れば空虚だと許可せず却下した。
  91. 顧客に謙虚な義兄弟も「呼吸器気胸療法で余興の歌曲を矯正せよ」と言われきょとん。
  92. 貨客船は橋脚に突き当たり 火急のことで救急車が駆けつけたが結局は苦境に立たされた。
  93. 客船の客室の旅客は先客よりも珍客。
  94. 佐賀の佐々木三郎さんと狭山の佐々佐吉さんが、さる日さる酒場で皿のサバを肴に酒をさしつさされつしていたと、さる人がささやいた。
  95. 生米 生松葉、生杉葉 生杉葉 二つ合せて二生杉葉、生杉葉生松葉。
  96. 英語言語学会に長靴を脱がずに出た山形大学の菅口さん。
  97. 宿舎でシャンソンを口ずさみシェーカーのシェリー酒をのむ自称実証主義主唱者が失笑。
  98. 医者、石屋、名刺屋、眼医者が、市役所試写室に参集、終了後、しゃあしゃあ終車に乗車。
  99. 司書と秘書の試験。
  100. 主義主張習慣趣味など多種類記述してください。

<ア行>
  • 【ア】赤松アナウンサーのあだ名は赤鼻 荒巻さんは甘ったれや。
  • 【イ】威勢のいい医者で、椅子にもかけず忙しく動き回る。
  • 【ウ】うぬぼれは うようよいるが 敬われる人は少ない。
  • 【エ】絵姿になる江刺追分の踊り手を絵師は探している。
  • 【オ】お湯の中で泳ぐのは おやめなさい。
<カ行>
  • 【カ】加賀の家中の家老のかみさん 髪結うかもじ買おうか止そうか 止そうか買おうか 家老に聞いても皆目知れない。
  • 【キ】岸の際からキンキンキラキラきらめく金色の金が出た。
  • 【ク】食い物やのクジラ肉のくずがくさっていて食ったらくらくら。
  • 【ケ】経験者が結束して警戒を決定とは結構。
  • 【コ】広告どおり心ここにない恍惚の人。
<ガ行(濁音)>
  • 【ガ】崖上の学校の頑固な学生が ガラス戸をガンガン叩いてガリガリ先生にガミガミがなられた。
  • 【ギ】偽造の銀貨を銀行で発見。
  • 【グ】グータラな愚図のグループでも ぐんぐん群を抜いたので軍人も群集もグーの音も出なかった。
  • 【ゲ】下駄履きベレー帽の芸術家を殺した下手人はげじげじ眉毛の下男だった。
  • 【ゴ】五島列島に豪壮な御殿をもつ豪農。
<ガ行(鼻濁音)>
  • 【ガ】長崎からハガキが 山形から串柿が来ました。
  • 【ギ】次に右のカゴの鍵を開けるとカゴのなかからヤギとウサギとネギが出てきた。
  • 【グ】親にはぐれた鶯が ねぐら探して鳴いている夕暮れ。
  • 【ゲ】トゲのようなヒゲを剃ってあげた。
  • 【ゴ】あごひげのみごとな老人は名残り惜しげに無言で孫の凍える手を握った。
<キャ・ギャ(濁音)・ギャ(鼻濁音)>
  • 【キャ】お客が柿むきゃ飛脚が柿食う 飛脚が柿むきゃお客が柿食う お客も飛脚もよく柿食う客飛脚。
  • 【キュ】急ごしらえの救護班が救急箱を肩に急きょ旧友の救護におもむいた。
  • 【キョ】男は度胸 女は愛嬌 坊主はお経。
  • <濁音>
  • 【ギャ】ギャングはギャンブルについてギャンギャン言うが我々とはだいぶギャップがある。
  • 【ギュ】ぎゅーぎゅーに詰まった牛肉。
  • 【ギョ】漁場に魚雷 ぎょっとした漁民の形相。
  • <鼻濁音>
  • 【ギャ】悪逆 残虐 反逆者の大逆事件 自虐の詩。
  • 【ギュ】肉牛と乳牛と水牛。
  • 【ギョ】商業界と興行界との合同興行。
<サ行>
  • 【サ】佐々木さん家の笹原でささの葉がさらさらそよいでいます。
  • 【シ】信州信濃の渋井村 新家の重さんの尻に虱が四匹しがみついて死んだ。
  • 【ス】寿司は酢ですぐに出来る。
  • 【セ】世界は戦争で戦死者続出。
  • 【ソ】それは空にそそり立っているそんなそぶり。
<ザ行>
  • 【ザ】ざるの残飯をざくざく食べて混雑のなかで雑誌を読んでるキザな奴。
  • 【ジ】実兄は自分の事務所へ じきじきに自慢のしじみ汁を持参した。
  • 【ズ】ずんぐりしている随筆家の頭痛の種は ずるずるズボンがずり落ちること。
  • 【ゼ】絶景かな絶景かな 全校生徒の座禅絶景。
  • 【ゾ】俗曲にぞっこんほれた人が造船所ではぞんがい増加している。
<シャ行>
  • 【シャ】いけしゃあしゃあと しゃれだよしゃれとは 拙者納得できん。
  • 【シュ】春分の日と秋分の日の新聞についての宿題がでました。
  • 【シェ】しぇんしぇい しぇいと いっしぇん にしぇんは九州の方言。
  • 【ショ】処女作は処世術だけの自主性の無い私小説だが 著者主張の趣旨には承服させられた。
<ジャ行>
  • 【ジャ】邪推から邪魔にされたジャコバン党員がじゃんじゃん砂利を投げた。
  • 【ジュ】重症重体患者多数 渋滞のため準急を準備した。
  • 【ジェ】ジェネーレーションのジェスイットのジェントルマンが大きなジェスチャーでジェラニュームの花を鑑賞していた。
  • 【ジョ】気丈で丈夫な女中が上手に徐々に徐行した浄瑠璃を上演中。
<タ行>
  • 【タ】田んぼの竹垣に立てかけたたたみ。
  • 【チ】父はちと 地理をやろうと千島地方の地図を広げて小さな地点をチョークで指した。
  • 【ツ】つるつるつるつる堤ですべって釣りができずになにも包めず。
  • 【テ】テレピン油を手にたらして手と手をもんで おてんてんへつけてみろ。
  • 【ト】飛んでるとんぼを捕ろうと遠くまで飛び出してとうとう通りで止められた。
<ダ行>
  • 【ダ】第一回大学代表者団体会議大紛糾。
  • 【ヂ】鼻血だ鼻血だ 近々医者に行こう。
  • 【ヅ】鼓と小鼓を小包にひとつつみにして月々小包で出す。
  • 【デ】出稽古も でたらめで 出来不出来が出来る。
  • 【ド】道中 角のどろんこはどうする。
<チャ行>
  • 【チャ】お茶目な茶摘み娘も着々とチャーミングになり茶室で茶々をいれずに茶を入れる。
  • 【チュ】チューリッヒのチューリップを中国に発注。
  • 【チェ】チェスは知恵のチェンジがいるというチェコ人にチェッと舌打ち。
  • 【チョ】町長と長女が長期休暇で超特急に乗るが超満員。
<ナ行>
  • 【ナ】長持ちの上に生米七粒 七並べて眺めてなめた。
  • 【ニ】にしんの煮物に二の足をふみ庭に逃げた二年生。
  • 【ヌ】ぬけぬけと盗んだ布でぬぐったが ぬれたぬるぬるは取れぬ。
  • 【ネ】ねばねばねっとり粘るので寝た子が寝返ったら ねんねこがねじれ姉やが寝違えた。
  • 【ノ】のの様はのろまなので のんのんのろのろののろすけとののしられたの。
<ニャ行>
  • 【ニャ】にゃあにゃあに こんにゃくあげたら くにゃくにゃむにゃむにゃ。
  • 【ニュ】ニューヨークのニューファッションのニューフェイスが入浴。
  • 【ニョ】女人禁制の女護が島でヘビがにょろにょろ三にょろにょろ。
<ハ行>
  • 【ハ】はなから八点離されハラハラしたが早くも走ってはね返し母はウハウハ。
  • 【ヒ】広島のヒモで火鉢をしばる。
  • 【フ】不幸な夫婦だ 古い服まで不意に不良に盗まれた。
  • 【ヘ】へりふみゃれ へりふまず へりふんだり ふまなんだり おへへりおふふまず。
  • 【ホ】ほとほと困っても細くする方法は豊富 程なくほっそりとなる。
<パ行>
  • 【パ】パイナップルがいっぱいのパパのパーティー。
  • 【ピ】ピノキオがピクニックで大ピンチ。
  • 【プ】プールでプリプリ怒るプリンセスにプリンをあげたらプイ。
  • 【ペ】ペルシャのペンナイフにペンシルヴァニアのペーブメント。
  • 【ポ】ポケットからポピュラーなポーランドのポスターを出す。
<バ行>
  • 【バ】バイリンガルだがバイキンまみれで罰金とはバカな話。
  • 【ビ】ビルに美人のビンタが響くので びびった旅人はビールをグビグビ。
  • 【ブ】ブラジル出身のブンデスリーガーとブリブリのブリッコが文通とはぶったまげた。
  • 【ベ】ベジタリアンのベストセラー作家が別荘のベランダでベタぼれの弁護士とベタベタ。
  • 【ボ】茫々たる亡父の墓地の菩提樹。
<ヒャ行>
  • 【ヒャ】百科事典が ひゃ ひゃ 百円。
  • 【ヒュ】ヒューズの切れたヒューマニストの家にヒューヒュー風がふく。
  • 【ヒョ】表紙の評判の良い評論家を表彰。
<ピャ行>
  • 【ピャ】八百円じゃないでしょ八百万円でしょとは嘘八百。
  • 【ピュ】ピュアなピューリタンの家のコンピュータはポピュラーなピューマの壁紙。
  • 【ピョ】一票はいってピョンピョンぴょこぴょこ飛び跳ねる。
<ビャ行>
  • 【ビャ】白夜の白衣観音は三百両。
  • 【ビュ】ビュッフェにいたビューティフルな美女が衝撃デビュー。
  • 【ビョ】仮病が発病 病院で秒読みの病状から病没す。
<マ行>
  • 【マ】まま子のままごと ママはまたまたまんまとまやかしに負けたが ままよと気ままのまま。
  • 【ミ】未知なる南の海の波 水満ち満ちて みずみずしい南のみやげ物を見てみなさい。
  • 【ム】煙のなかで煙いのに無理にむすんだむすびを六つ 息子と娘に六つずつ。
  • 【メ】ケメ子の姪は雨にめいってめそめそ。
  • 【モ】すももも桃ももう熟れたから もう売れよう。
<ミャ行>
  • 【ミャ】ミャンマーで脈拍が途絶えたので 猫がおがみゃがる 犬がおがみゃがる 馬がおがみゃがる。
  • 【ミュ】ミュンヘンのミュージックホールでミューズの楽の音を聞きながらコミュニケーション。
  • 【ミョ】明神様に不動明王 明朝までお百度まいりし すがすがしい明けの明星。
<ヤ行>
  • 【ヤ】やややせた八百屋と屋根屋が 闇夜に安い宿屋で厄除けの山焼きをした。
  • 【ユ】ゆうゆうとしているようだが猶予はならぬ ゆくゆくはゆゆしきものとなる故 ゆめゆめ油断めさるな。
  • 【ヨ】八日の夜の夜回り夜通しよろよろ。
<ラ行>
  • 【ラ】ライオンズクラブのライブラリーへの落雷なら笑っていられない。
  • 【リ】理論家が理路整然と論理的に道理を議論。
  • 【ル】一塁 二塁 三塁をまわって本塁に来るのがルールである。
  • 【レ】練習を忘れたレギュラーではレースに連続レコードは生まれない。
  • 【ロ】ローマの牢屋の広い廊下を六十六の老人がローソクもってオロオロ歩く。
<リャ行>
  • 【リャ】ありゃりゃりゃりゃ こりゃあどうした 略奪か 侵略か 略さず言え。
  • 【リュ】一流人の留学が流行しているネームバリューのある竜ヶ森の停留所。
  • 【リョ】財力 兵力 労力の総力の協力が国力の実力。
<ワ行>
  • 【ワ】わざわざ わずらわして別れたのだから 私は笑われることはないわ。
<ン>
  • 【ン】洗面後アンパンと残飯を食べながら新聞を読んでいる山門の南蛮人の門番。
<ッ発音>
  • 【ッ】ラッシュの列車で一周する前も ファッション界の第一線記者らしく せっせと熱心にクッションのデッサンと日誌を書いた。



<まとめ>
スタニスラフスキイ著 「俳優修業」 より抜粋
「Stym ta'ope nwy dor t'yawn p'ness! (いまやしよ くんずしんの こーくのたみに おーくとぶらを らくべきだ!)」

今日、トルツォフがクラスにやってくると、こういう思いがけぬ音が、彼の唇から飛び出した。僕らは、唖然として、彼を眺め、互いに顔を見交わした。

「わからないかね、いまのが?」と、ちょっと間を置いてから、彼は尋ねた。

「ひと言も、わかりません」、と僕らは認めた。「いまの小言は、どういう意味ですか?」

「It is time to open wide the door to your own happiness. (いまや、諸君自身の幸福のために、大きく扉を開くべきだ。)
或る戯曲で、こういう言葉を発音した俳優は、劇場の、どこにいても聞こえるような、大きな、いい声をしていたのだが、にも拘らず、我々はそれを諸君以上に理解することはてんでできず、我々もまた、諸君みたいに、彼が我々に小言をいってるものとばかり思ったものだ」、とトルツォフは説明した。

「演技と演出との経験を長年積んだ末に、知的にも、情緒的にも、私が十分に実感するようになったことは、俳優というものはすべて、優れた物言いと発音とを身につけなければいけないということ、彼は、フレイズや単語ばかりでなく、一つ一つのシラブル、一つ一つの文字をも意識しなければならないということである。

諸君は、勿論、文字が脱落していたり、いろんなミスプリントがあったりする、印刷のよくない本や新聞を読んだことがある筈である。
そういう印刷物が投げかける謎を推量したり、解決したりするのに手間どらなければならないということは、諸君には、苦痛ではないだろうか?
それでも、相手が、印刷のよくない本か、まずい筆蹟であれば、厄介だとはいえ、苦心すれば、諸君はどうやら、言葉の背後の思想を理解できないものでもない。諸君の前には、印刷されたものなり、書かれたものなりがあるのだ。諸君は、時間をかけて、それを何度も読返し、不可解な謎を解くことができる。

しかし、劇場では、俳優がテクストを、印刷のよくない本になぞらえうるような風に発音する場合、戯曲の基本的な構造にとって極めて重要なことが珍しくない。
文字や、単語や、フレイズをすっかり抜かしてしまう場合、諸君には、どんな手段があるだろう?
諸君は、口にされる言葉は、連れ戻すことができない、戯曲は、諸君に、立ち止まって、わからぬことを判ずる暇もあらせず、大詰へ向って突進して行ってしまうのだ。
まずい物言いは、後から後からと、誤解を作り出す。それは、戯曲の、思想や、本質や、はてはプロットそのものをさえ、ごった返しにし、ぼかし、隠しさえもする。

観客は、初めのうちは、舞台で進行しつつあることを、何一つ聞き漏らすまいとして、耳を、注意を、心を緊張させるだろう。
若しも彼らがついて行くことができないと、彼らは、そわそわし、やきもきし、互いに囁き始め、そして、しまいには、咳をし始めるのである。
この、咳をする、という言葉の、俳優にとっての、恐ろしい意味が、諸君にはわかるだろうか?
千人の観客は、忍耐を失うところまできて、舞台で起っていることとの接触が絶たれると、咳をして、俳優を、戯曲を、芝居全体を、劇場から追い出してしまうことができるのである。
このまじないは、戯曲や芝居を台なしにしてしまうわけだ。

そういう万一の場合を防ぐ手段の一つは、はっきりとした、美しい、生き生きとした物言いをすることである。

もう一つ、私が理解するようになったことがある。
我々の、会話の物言いの歪みというものは、我々の、家庭生活の環境の中では、半分は大目に見ることができるのに反して、舞台へ持ち込まれて、自由、理想、純愛など、崇高な話題についての、メロディアスな韻文を発音するのに用いられる、そういった、きめの粗いしゃべり方というものはすべて、気にさわる、滑稽なものなのである。
文字、シラブル、言葉などは、人間の、こしらえたものではないのだ、それらは、人間の本能、衝動によって、自然そのものや、時代や、場所によって、人間に示唆されたものである。

文字が、その内容の実現を要求するところの、音声のシンボルに過ぎないということを実感してからやっと、私は、その内容を一杯に湛えることが、よりよくできるように、そういう音声形式を学ぶという問題に、自分が自然に直面していることを知ったのであった」




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